【完全版】FP3級・FP2級に合格するためのロードマップを徹底解説

FP試験受験者
FP3級・FP2級に合格したい。
試験の概要や勉強方法、合格に必要な情報を知りたい。
独学で合格したいけど、できるかな…

FP3級・FP2級の試験は正式にはファイナンシャル・プランニング技能検定と呼びます。(記事内では一般呼称としてFP3級、FP2級と表記します。)

試験は、3級・2級・1級(易→難)となります。

当記事では、FP3級とFP2級の合格を目指す人の疑問にお答えします。

よくある疑問

・FPってどんな資格
・試験は難しい?合格率や必要な学習時間は?
・独学で合格可能?資格スクールを利用した方が良い?
・合格までに必要な費用や維持費は?
・FPと相性の良い資格は?

記事の筆者
【保有資格】
・ファイナンシャルプランニング技能士1級(FP1級)
・宅地建物取引士
・マンション管理士
すべて独学で合格した経験をもとに、解説します。

FP3級・FP2級の受験するときから、合格後までナビゲートします。

順を追って解説しますので、気になるところがある人は目次から選んでください。

【ステップ1】FP3級・FP2級について知ろう

まずは、FP3級、FP2級ってどのような資格、試験なのかについて解説します。

資格試験を受験するときには、最初に資格のこと、試験のことについて知ることが合格への第一歩です。

FP3級・FP2級は資産、貯蓄、投資などのお金に関する検定資格

一般にFP3級・FP2級と呼ばれますが、正式にはファイナンシャル・プランニング技能検定という試験で等級が3級、2級、1級と分かれています。

資格には大きく分けて民間資格と国家資格があり、FP3級・FP2級は、国家資格の技能検定に分類されます。

技能検定とは

技能検定とは、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で130職種(※)の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。
※都道府県が実施する職種:111職種 / 指定試験機関が実施する職種:19職種

厚生労働省HPより

FP技能検定をおすすめする理由

FPをおすすめする理由は、周りの人に助言ができるだけでなく、自分の生活が豊かにすることができる知識を身につけることができるからです。

率直にいうと、自分自身の生活が豊かになれます。

  • 金融商品について詳しくなれる
  • 不動産のことに詳しくなれる
  • 社会保障制度に詳しくなれる
  • 税制度に詳しくなれる
  • 生命保険・損害保険に詳しくなれる

生活していくうえで役に立つ知識ばかりです。知っていれば得をする。知らなければ損をする。ということがたくさんあります。FPの学習をすることは、マネーリテラシーをつけられます。

FPをおすすめする理由を以下の記事で解説しています。
»FP2級・FP3級を取得してマネーリテラシーを高めよう

FP技能検定は試験団体が2つある

  • 一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)
  • NPO法人日本FP協会

FP3級、FP2級の試験は、同じ試験日時に2つの試験団体が実施しています。

記事の筆者
どっちの団体で受験すればいいのと思うかも知れません。
結論としては、どちらで受験してもOKです。

2つの団体の違いは、実技試験にあります。対象とするFPの特化ジャンル、例えば資産運用や保険に特化した試験に分かれているため、若干試験内容が異なります。

FP3級・FP2級の試験日程

FP3級・FP2級の試験日程
・2022年1月23日(日)
・2022年5月22日(日)
2022年9月11日(日)
2023年1月22日(日)

FP試験は4ヶ月に1回(年に3回)実施されています。

FP3級とFP2級の試験日は同じ日のため、3級と2級を両方受験するというのはできません。

記事の筆者
試験は4ヶ月毎に実施されるので、どのタイミングでも学習を始められます。
6ヶ月程度の学習計画を立てて、FP3級→FP2級に合格することができます。

FP3級の試験時間
・学科試験・・・10:00〜12:00(2時間)
・実技試験・・・13:30〜14:30(1時間)
FP2級の試験時間
・学科試験・・・10:00〜12:00(2時間)
・実技試験・・・13:30〜15:00(1時間30分)

FPの試験は、午前に学科試験、午後に実技試験となります。

そのため、お昼ご飯の準備をする必要があります。昼休憩は十分な時間がありますので、外食も可能です。とはいえ、時間に追われる可能性があるので持参していった方が安心です。

試験前日や試験日の食事については、以下の記事で解説しています。
»【試験前日の夕食、当日の朝食・昼食】受験時のごはんが重要なわけ

試験は学科試験と実技試験に合格して完全合格となる

FP3級・FP2級の試験は、学科試験と実技試験の2つに合格する必要あり
・学科試験・・・基本問題
・実技試験・・・応用問題

FP試験は、学科試験と実技試験の2つのパートから成り立っています。両方に合格することによりFP3級、FP2級に合格となります。片方のみ合格の場合、一部合格者という扱いになります。

学科試験は、各出題分野の法律や制度といった基本的な内容が出題されます。

実技試験は、学科試験の内容を具体的な事例に落とし込んで、計算問題等が出題される応用問題です。

ちなみに実技試験というと何か試験管の前で面接とか実演するのかと勘違いしそうですが、ペーパーテストです。FP3級、FP2級試験に面接の試験はありません。ちなみにきんざいが実施するFP1級の試験には面接試験があります。

FP3級・FP2級の学科試験は、金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会どちらも共通問題

FP3級・FP2級の学科試験については、2つある試験実施団体のどちらで受験しても同じ問題が出題されます。試験実施団体により問題が異なるのは、実技問題です。

出題範囲は6つの分野がある

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

FP試験の出題分野は6つのパートから構成されます。

均等に出題されますので、全分野をまんべんなく学習する必要があります。

出題形式・合格基準は、学科と実技で異なる

FP3級の出題形式、合格基準は以下です。

FP3級FP3級
学科試験
(共通)
FP3級
実技試験
(きんざい)
FP3級
実技試験
(日本FP協会)
出題形式○×・三肢択一事例形式事例形式
解答方法マークシート記述式マークシート
出題数60問大問5題20問
合格基準36点以上
(60点満点)
30点以上
(50点満点)
60点以上
(100点満点)

FP2級の出題形式、合格基準は以下です。

FP2級FP2級
学科試験
(共通)
FP2級
実技試験
(きんざい)
FP2級
実技試験
(日本FP協会)
出題形式四肢択一事例形式事例形式
解答方法マークシート記述式記述式
出題数60問大問5題40問
合格基準36点以上
(60点満点)
30点以上
(50点満点)
60点以上
(100点満点)

実技試験は自分の関心のある科目を選ぼう

FP試験の試験団体は、きんざい・日本FP協会があります。学科試験は共通の問題ですが、実技試験は異なります。

FP3級の実技試験
【きんざい】
・個人資産相談業務
・保険顧客資産相談業務

【日本FP協会】
・資産設計提案業務

FP3級実技試験は、きんざいで2科目、日本FP協会で1科目あります。

きんざいの個人資産相談業務と日本FP協会の資産設計提案業務は、同じような内容です。
そして、特に保険の分野に特化しているのが、きんざいの保険顧客資産相談業務です。

FP2級の実技試験
【きんざい】
・個人資産相談業務
・中小事業主資産相談業務
・生保顧客資産相談業務
・損保顧客資産相談業務

【日本FP協会】
・資産設計提案業務

FP2級実技試験は、きんざいで4科目、日本FP協会で1科目です。

きんざいのFP2級実技試験については、自分に合う科目を選べば良いです。

例えば、以下のような選び方です。

  • 証券、銀行、不動産会社勤務・・・個人資産相談業務
  • 生命保険会社勤務・・・生保顧客資産相談業務
  • 損害保険会社勤務・・・損保顧客資産相談業務
  • 会計事務所勤務・・・中小事業主資産相談業務

どれを選べばいいのかという人はコレ!

きんざいのFP2級実技試験・・・個人資産相談業務

日本FP協会のFP2級実技試験・・・資産設計提案業務

どれを選べば良いのかわからないという人は、きんざいなら個人資産相談業務、日本FP協会なら資産設計提案業務を選びましょう。FP2級試験の全般的なことを学習するのに適しています。

実技試験は、5つのうちどれを選んでも合格できれば、FP2級に合格となります。FP2級に合格後、別の実技試験を受験することも可能です。

過去問題と模範解答

FP試験の過去問題・模範解答は、試験実施団体のHPにアップロードされています。

»金融財政事情研究会のFP試験の問題・模範解答
»日本FP協会のFP試験の問題・模範解答

FP試験当日の夜には、模範解答がアップロードされるので、自己採点をしましょう。

注意点として、試験問題には法令基準日があります。例えば、試験日が2021年9月であれば2021年4月1日が法令基準日となります。古い問題だと、現行の法令と異なることで解答が今の基準だと間違いという場合があります。古い問題を過去問題として、学習することは止めたほうが無難です。

市販されている最新版の問題集であれば、過去問を最新の法令に合うように改編がされています。

受験資格について

FP3級の受験資格
・FP業務に従事している者または従事しようとしている者

FP試験には、受験資格があります。

とはいえ、FP3級の受験資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」のため、実際は、誰でも受験可能です。

FP2級の受験資格(以下4つのどれかに該当する必要あり)
・FP3級技能検定の合格者
・FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
・日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者

FP2級については、上記4つのうちのどれかに該当する必要があります。

一番わかりやすいのは、FP3級の合格者です。

FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者の「実務経験」とは、日本FP協会のHPによると以下に該当する人の場合、おおむね実務経験と認められます。

・証券会社、保険会社、銀行、クレジット会社などの金融機関に勤務している方
・保険会社(代理店)の職員
・税理士、弁護士、司法書士、行政書士などで、資産に関する相談業務に従事している方
・会計事務所の職員
・不動産会社、建設会社など土地建物取引・建築・相談業務に従事している方
・投資顧問会社の職員
・生活協同組合などの共済等の担当職員
・商品先物取引会社の職員
・一般事業会社および官公庁の福利厚生担当者および、金融・財務・経理担当者
・商事会社の商社金融担当者、商事会社やコンピュータ会社等の金融機関営業担当者および、ソフト開      発担当者

日本FP協会ホームページより

実務経験については、申込時に勤務先と勤務年数を申告する必要があります。提出書類は必要ないため、自己申告となりますが、虚偽申請は厳禁です。

AFP認定研修とは、日本FP協会が行っている認定制度です。AFPは、ファイナンシャルプランナーの民間資格の1つです。AFPの上位資格として、CFPと呼ばれる民間資格資格もあります。どちらも日本FP協会が認定試験を実施しています。

FP2級の受験要件「実務経験」がない人はどうする?

FP3級合格後にFP2級を受けよう!

FP2級を目指したいけど、受験資格がないという人は、まずはFP3級を受験しましょう。

FP3級とFP2級の試験範囲は同じです。FP3級で学習することはFP2級の試験対策になります。

免除規定が存在する

学科試験と実技試験どちらか一方のみ合格した人
一部合格者として、翌々年度末までの試験で合格した方は免除される

例えば、FP3級の学科試験に合格、実技試験に不合格だった人は、次回のFP3級試験で実技試験だけ受験して合格すれば、FP3級に合格となります。実技試験のみ合格で、学科試験に不合格という場合も同様です。

注意点として、一部合格者としての免除は期限があることです。一部に合格した翌々年度末の試験まで一部免除での受験が可能となります。これを過ぎると、両方を受験する必要があります。

FPの免除規定については、以下の記事で解説しています。
»ファイナンシャルプランニング技能士(FP)試験の免除規定について

FP3級・FP2級の難易度(必要な学習時間・合格率)

FP3級の難易度・必要な学習時間
難易度→易しい
学習時間の目安→50時間

FP3級の難易度は易しいです。
初学者でも市販のテキスト・問題集を使って50時間程度学習すれば、合格できる人が多い試験です。

FP3級2021年9月試験の結果

実施団体学科・実技受験者合格者合格率
きんざい学科27,607人14,718人53.3%
きんざい実技
個人資産相談業務
12,513人5,412人43.2%
きんざい実技
保険顧客資産相談業務
15,902人7,742人48.6%
日本FP協会学科36,368人30,801人84.6%
日本FP協会実技
資産設計提案業務
37,414人30,119人80.5%

きんざいと日本FP協会の合格率の差はどうして?

単純に日本FP協会で受験する人の学習度が高いからです。

きんざいと日本FP協会の試験結果を見ると、合格率にかなりの差があります。

きんざいの試験問題が難しいのかと思ってしまいそうですが、違います。単純に日本FP協会の受験者の方がよく学習をして試験に臨んでいるからだといえます。

試験の合格基準は、絶対評価であり規定の点数をクリアすれば合格できます。特に学科試験は、きんざいと日本FP協会で同じ問題のため、合格率の差は受験者の学習レベルの差だとわかります。

だとしても、こんなに差が出ることについて疑問かもしれません。推測ですが、きんざいでの受験者は団体受験が多く、もともと学習をしていない人が多く受けているのだと思います。

その結果、学科試験と同様実技試験についても合格率が低くなっているのです。

合格率は違っても、きんざいのFP3級と日本FP協会のFP3級の難易度に差はない!

合格率で試験実施団体を選ぶのは無意味です!

FP2級の難易度・必要な学習時間
難易度→普通
学習時間の目安→200時間

FP2級の難易度は普通です。とはいえ、合格するには学習計画を立てて、しっかりとした学習が必要です。

合格に必要な学習時間の目安は200時間です。

試験範囲が関連する他の資格試験に合格済みの人は、学習時間を短縮できたりします。例えば、宅地建物取引士を取得済みであれば、FP2級の試験範囲である不動産や相続分野の学習時間が少なくて済みます。

FP2級2022年1月試験の結果

実施団体学科・実技受験者合格者合格率
きんざい学科41,803人8,154人19.50%
きんざい実技
個人資産相談業務
16,420人6,518人39.69%
きんざい実技
中小事業主資産相談業務
1,530人885人57.84%
きんざい実技
生保顧客資産相談業務
13,156人6,702人50.94%
日本FP協会学科27,889人11,576人41.51%
日本FP協会実技
資産設計提案業務
23,186人13,061人56.33%

FP2級もFP3級と同様、日本FP協会の方が合格率が高くなっています。特に、学科試験は同じ問題にも関わらず、ほぼ2倍の開きがあります。

また、きんざいの実技試験は、4つの科目に細分化されるため、受験者が分散します。とはいえ、ほぼ個人資産相談業務と生保顧客資産相談業務の2つにわかれます。保険関係にお勤めの方は生保顧客資産相談業務、それ以外は個人資産相談業務を受験していると考えれらます。

受験料について

FP3級の受験料
・学科試験・・・3,000円
・実技試験・・・3,000円

FP3級の受験料は、学科試験・実技試験ともに3,000円です。両方受験する場合、6,000円となります。

FP2級の受験料
・学科試験・・・4,200円
・実技試験・・・4,500円

FP2級の受験料は、学科試験4,200円・実技試験4,500円です。両方受験する場合、8,700円となります。

ちなみに受験料に消費税はかかりません。
資格(検定含む)の受験料と消費税との関係については、以下の記事で解説しています。
»【課税・非課税】資格試験の受験料と消費税の関係【国家資格・民間資格】

ファイナンシャル・プランニング技能検定は登録・更新不要

FP試験は、技能検定試験です。合格後に登録や更新の手続きは不要です。

試験に合格したら、合格証明証が届きます。

この合格証明証は、生涯有効です。とはいえ、FPの出題分野については、毎年のように法改正があり、制度が見直されたり、新しい制度の導入や廃止があります。

合格後は知識のキャッチアップが重要です。合格後には上位の等級を目指して日々学習をするのは、新しい情報を知ることができるのでおすすめです。たとえ試験を受けない、受からなかったとしても無駄ではありません。

合格までに必要な費用と維持費

FP3級、FP2級に合格するまでに必要な費用や維持費の目安は以下です。

必要費FP3級
(独学)
FP3級
(資格スクール利用)
FP2級
(独学)
FP2級
(資格スクール利用)
テキスト・問題集3,500円4,000円
資格スクール費用30,000円〜
70,000円
30,000円〜
70,000円
受験料
(学科・実技)
6,000円6,000円8,700円8,700円
登録・更新料不要不要不要不要
合計9,500円36,000円〜
76,000円
12,700円38,700円〜
78,700円
FPカード
(希望者のみ)
1,650円(きんざい)
2,310円(FP協会)
1,650円(きんざい)
2,310円(FP協会)
1,980円(きんざい)
2,750円(FP協会)
1,980円(きんざい)
2,750円(FP協会)

FP3級は独学で合格を目指したとき、費用は1万円程度必要になります。FP3級に合格するために資格スクールを利用する人は、少ないかと思いますが、FP2級の合格まで見据えていて、FP2級は資格スクールを利用しようと考えている人は、FP3級から資格スクールを利用する方が良いです。

というのも、講座によってFP2級を主な対象としていてもプラスしてFP3級をFP入門編としてセットにしていることがあるからです。テキストや問題集を買わなくて済むというメリットがあります。

合格までの費用については、以下の記事で解説しています。
»FP3級を独学で合格に必要な合計金額は1万円です【受験料・費用】
»FP2級を独学で合格に必要な合計金額は14,000円【受験料・費用】

【ステップ2】FP3級・FP2級の学習をしよう

ステップ2が一番重要です。実際にFP試験の学習をして合格を目指します。

勉強を始める前に電卓を準備しましょう。また、独学で合格を目指すか、資格スクールを利用するかを決めましょう。

電卓を準備しよう

FP3級・FP2級の試験は、電卓の使用ができます。というのも、FPの出題内容は計算問題が多く、電卓を使うことが前提となります。まずは、電卓を準備しましょう。

注意点として、関数電卓などの高機能の電卓は使うことができません。電卓と聞いて一般的に思い浮かべるタイプの電卓が使えると思ってください。

FP試験で使えるおすすめ電卓については、以下の記事で紹介しています。
»【電卓・計算機】FP技能検定試験のおすすめ7機種【選び方・機能】

おすすめ電卓

悩んでいる人 FP試験を受験しようと思うけど、電卓を持っていない…試験で使える電卓、使えない電卓があるみたいだけど、どれを選べばいいのだろう…おすすめの電卓を知りたいな。   FP技能検定試験を受験するときのおすすめ電卓をご紹[…]

独学or資格スクール

FP3級・FP2級の学習をするとき、独学か資格スクールを利用するという方法があります。

独学と資格スクールのメリット・デメリットを簡単にまとめます。

独学/資格スクールメリットデメリット
独学・費用が安い
・自分で学習計画カスタマイズ
・初学者には理解に時間がかかる
・自己管理、学習計画が難しい
資格スクール・初学者でもわかりやすい講義
・効率よく最短での合格が可能
・費用が掛かる
・通学は決められた日時に拘束

独学のメリットは、自分の選んだ教材で都合のいいとき、場所で学習でき、さらに費用を安くできることです。受験費用以外は、市販のテキスト・問題集を購入するだけで済みます。

デメリットは、内容の理解に時間がかかる、学習スケジュールや自己管理が上手くできないことです。資格試験に慣れている人は大丈夫かもしれませんが、初学者は悩むことが多いです。

独学におすすめのテキスト・問題集は以下の記事で紹介しています。
»【2021〜2022年対応】FP3級試験のおすすめテキスト・問題集7選【独学】
»【2021〜2022年最新版】FP2級のおすすめテキスト・問題集5選【独学】

資格スクールのメリットは、最短で合格まで導いてくれることです。初めての受験で何から始めれば良いのかわからない人や時間が無いけど、短い時間で合格を目指したい人におすすめです。

デメリットは、独学と比較すると費用が掛かることです。とはいえ、合格までの時間を短縮できる価値を考えると結果的にはメリットといえます。

また、通学の講義だと講義日程が都合に合わないかもという不安があります。柔軟に自分のスケジュールにあわせて受講したいという人には、オンラインの資格スクール受講(通信講座)がおすすめです。

通信講座はいつでもどこでも受講ができます。自宅のパソコン前で講義を受ける、電車の中、図書館、カフェと様々な場所で受講することができます。

また、スマホに特化した講座もあります。通勤、通学や日常のちょっとしたスキマ時間を有効活用できますので、あまり時間はないけど、なんとか工夫して合格したいという人には特におすすめです。

通信講座は、講師の人のサンプル講義をYoutubeなどで手軽に視聴でき、自分の学習スタイルにあった講座を選べるところが魅力です。

FP試験のおすすめオンライン講座は、以下の記事で紹介しています。
»【2022年・通信講座】FP2級・FP3級のおすすめオンライン講座厳選5選

おすすめ通信講座

FP技能士試験を受験する人 FP技能士の通信講座を受講しようと思うけど、どれを選べばいいのだろう… 選び方のポイントと自分に合った講座を受講したい。 FP技能士(ファイナンシャルプランニング技能士)試験の通信講座を受講したいけど、講座[…]


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合格率88.2%!! この高い合格率は、フォーサイトのFP技能士講座を受講した人の2022年5月試験のFP技能士2級試験の結果です。 試験全体の合格率49.2%に対して、全国平均の1.79倍という合格者を輩出する講座について、本記事でレビュ[…]


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学習スケジュール:学習方法は反復継続が重要

FP試験に限らず、資格試験の学習は継続と繰り返しが重要です。毎日の学習とテキストを読む、問題を解くことを繰り返すことで知識が定着していきます。

テキストを1回読んだだけ、問題集を1回解いただけでは身につくことはありません。

FP3級の学習スケジュール
(合格必要時間の目安:50時間)


パターン1:毎日1時間の学習を2ヶ月
パターン2:毎日2時間の学習を1ヶ月

FP2級の学習スケジュール
(合格必要時間の目安:200時間)


パターン1:毎日1時間(休日は3時間)の学習を4ヶ月
パターン2:毎日2時間の学習を3ヶ月
パターン3:毎日2時間(休日は6時間)の学習を2ヶ月

FP3級は1〜2ヶ月FP2級は2〜4ヶ月の学習期間が目安です。重要なのは、毎日の継続と繰り返しです。学習時間は、なにも机に向かっているだけではありません。毎日、長時間机に向かうことは難しい人もいます。

新しく資格試験を受験しようとするなら、今までの生活スケジュールを見直す必要があります。

1日のうち、特に何もしていない時間があるはずです。短時間の隙間時間を有効に使っていけば1日でそれなりの時間を確保できます。例えば、通勤通学などの移動時、昼休憩、寝る前の少しの時間などです。また、家事などの作業時に音声教材を使って学習することもできます。

まとまった時間を確保することが難しい人は、隙間時間を工夫して学習時間を確保するようにしましょう。1日に10分の学習を6回できれば、1時間の学習時間を確保できるのです。

ボーっとテレビを見ている、なんとなくスマホを見ていることはありませんか?

資格試験に合格のためには、学習時間を作る努力が必要です。
»【挫折する原因】資格試験合格のポイントは試験日から逆算して計画する
勉強に集中できないという人には以下の記事を参考にしてください。
»勉強におすすめのノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホン4選【無音・無線】

学科試験の学習法

  • 学科試験と実技試験はわけて対策をしよう
  • 6つの出題分野のうち関心のある分野から勉強しよう
  • 小さな範囲でテキスト→問題集を繰り返そう

FP試験の学科試験と実技試験で学習方法が異なります。まず、やみくもに勉強をするのは、おすすめできません。

特にFPは試験範囲が広いため、全分野をまんべんなく学習するようにしましょう。

学科試験と実技試験は異なる出題形式です。学科試験は、法律や制度の知識が問われる基本問題です。一方、実技試験は、具体的な事例を元に基本問題の知識を使って計算問題などを解く応用問題となります。

まずは、学科試験の学習を行い6つの出題分野のうち学科試験の範囲が終わったら実技試験の対策をしましょう。

出題分野は以下の6つです。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

おすすすめは、興味関心のある分野からやろう!です。

というのも、1つめの「ライフプランニングと資金計画」から始めると、係数の問題が出てきます。仕事などで日常的に触れている人は大丈夫ですが、初見の人は嫌になるかもしれません。

FP試験は、全分野満遍なく学習することが重要です。上記、6つの分野のうち、興味、関心のある分野から始めてください。例えば、株、為替、債券やNISA、イデコなどの制度に関心がある人は、金融資産運用から始めれば良いです。税制度について関心のある人は、タックスプランニングから始めれば良いです。

とにかく、興味関心のある分野であれば頑張って学習しようというやる気がでるはずです。最終的には、全分野の学習をすることになりますが、まずはとっかかりが大切です。

テキストの1ページ目から始める必要はありません。6つの分野はそれぞれ独立していますので、お好きな分野から学習を始めましょう。

記事の筆者
テキストの最初から勉強しなければという固定観念は捨てましょう。

小単元をテキストで学習してインプット
該当する問題集の問題を解いてアウトプット

6つの分野をすべてテキストを読んでから問題集へというのは、止めた方が良いです。1つの分野のうち小単元をテキストで学習したら、問題集で対応する問題を解いてアウトプットしましょう。例えば、金融資産運用の分野であれば、株の単元をテキストでインプットしたら、問題集で株の単元を解いてアウトプットします。

インプット→アウトプットの繰り返しが知識の定着に必要です。小さく刻みながら継続と繰り返しで1つの分野の学習を一通り終えたら、次の分野へ移るとともに学科試験で終えた分野の実技試験を平行して学習します。

実技試験の学習法

実技試験で高得点を狙いやすい理由
学科試験は、範囲が広く満遍なく出題されるのに対し、実技試験は、パターン化された問題が出題される。

学科試験は、幅広い範囲から出題されるため、高得点が狙いにくいと言えます。一方、実技試験は学科試験での知識をベースに具体的な事例に即した問題が出題されるため、ある程度パターン化された問題になります。極端な例では、登場人物の名前と数字が異なるだけという場合もあります。

つまり、解法パターンを身に付けておけば、大半の実技試験の問題を解くことができます。ただし、学科試験の知識が前提となります。

解法パターンは、テキストや問題集に精選された問題が収録されていますので、何度も繰り返し学習することで身につけられます。

おすすめのテキスト・問題集は以下のページで紹介しています。
»【2021〜2022年対応】FP3級試験のおすすめテキスト・問題集7選【独学】
»【2021〜2022年最新版】FP2級のおすすめテキスト・問題集5選【独学】

実技試験→学科試験の順で学習するという方法。

ある程度の素養がある人にはおすすめ。

まずは、学科試験の学習から始めることを初学者にはおすすめしますが、いきなり実技試験から学習して問題に該当する範囲の学科試験部分を学習していくというスタイルもあります。

該当分野の学習が進んでいる人、例えば、宅地建物取引士に合格してFP3級を受験しようという人は、不動産分野に関してあらためて学習をする必要はないと言えます。いきなり実技試験の不動産分野から始めて、わからない部分について学科試験の部分を学習していく方法です。

既に知識として定着している分野の学習について、いちから始めるのは非効率です。自分のできる分野があれば臨機応変にやり方を変えるのがおすすめです。

模擬試験で試験の場慣れと客観的データを知ろう

独学で学習を進めていると、自分の実力が合格ラインに達しているのか、足りない部分はどこなのか不安になります。

このようなときには、模擬試験を受験することをおすすめします。

  • 試験の場慣れができる
  • 緊張感をもって試験時間の感覚を掴める
  • 結果データから客観的な自己分析ができる

予備校の教室で受験することで、いつもとは違う試験の場慣れをすることができます。また、全部の問題を制限時間内に解くという時間配分の感覚を掴むことは、本試験で役に立ちます。

そして、模擬試験をおすすめする一番の理由は、結果データから客観的な自己分析ができることです。弱点や復習するべき分野の見直しをすることができます。

おすすめの模擬試験は以下の2社です。

公開模試
LEC

TAC
対象FP3級・FP2級FP2級
価格FP3級:3,300円
FP2級:3,300円
3,100円
受験方法会場受験or自宅受験会場受験or自宅受験
受験会場28カ所8カ所
自宅受験の可否可能可能
公式サイト詳細を見る詳細を見る

受験後は自己採点をしよう

受験後は、必ず自己採点をして復習と合格できそうか確認しましょう。

試験当日に公式サイトへ解答が掲載されます。

»金融財政事情研究会の模範解答
»日本FP協会の模範解答

FP3級の学科試験と実技試験の自己採点
学科試験、実技試験の模範解答から何点取れたかわかる
FP2級の学科試験と実技試験の自己採点
学科試験・・・模範解答から自己採点で何点取れたかわかる
実技試験・・・配点の公表がないため、おおまかに何点取れたかわかる

FP3級の学科試験・実技試験、FP2級の学科試験は配点の公表があります。

しかし、FP2級の実技試験には配点の公表がありません。もちろん問題数からおおよその配点はわかりますが、ぎりぎりの点数だった人は発表日まで合否は不明です。

【ステップ3】合格後は他資格をやFP1級を目指そう!

無事、試験に合格すると試験の結果データと合格証書が届きます。

結果データには、合計得点のほかに分野別の結果も届きます。残念ながら不合格の人にも結果データは届きますので、試験の結果を見て、できなかった分野の自己分析をすることで次回の合格へつながります。

FP技能士カードを作ろう

FP技能士カード
ファイナンシャルプランニング技能士の合格証としてカードを作成することができます。

ファイナンシャルプランニング技能士は技能検定のため、宅建士の宅地建物取引士証のように取引の相手に証明証を見せる法的な必要はありません。とはいえ、ファイナンシャル・プランニング技能士の証として欲しい人のために、携帯用のカードを作ることができます。

FP3級、FP2級に合格すると合格証が送られてきます。FP技能士カードを希望の人は、追加で申請をしましょう。

チェックポイント

・FP技能士カードは、合格した試験実施団体へ発行申請する
・発行手数料が必要
・FP2級は顔写真入り

注意が必要なのは、合格した試験実施団体へ申請が必要なのと、発行手数料が必要です。
例えば、金融財政事情研究会(きんざい)の試験を受けて合格したら、きんざいへ申請。日本FP協会なら、日本FP協会へ申請となります。

試験実施団体金融財政事情研究会日本FP協会
発行手数料(FP3級)1,650円2,310円
発行手数料(FP2級)1,980円2,750円
公式サイト詳細を見る詳細を見る

FP技能士カードについては、以下の記事で解説しています。
»【FP技能士カード】ファイナンシャルプランニング技能士カードを作る

FP3級・FP2級と相性の良い国家資格・公的資格

FP3級・2級と相性の良い国家資格・公的資格
・宅地建物取引士
・日商簿記

FP3級やFP2級を合格した方におすすめの資格です。FPでの出題される分野には、それぞれの分野で専門家といえる資格職が存在します。例えば、税制度の分野であれば税理士、社会保障の分野であれば社会保険労務士、不動産の分野であれば司法書士などです。

とはいえ、これらの資格は圧倒的に難易度が高くなってしまうため、今回の相性の良い資格からは除外しました。

難易度やおすすめ度を考慮すると宅地建物取引士と日商簿記の2つがイチオシです。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産の取引に関する資格です。FPの内容と重なる部分は、不動産分野以外に相続・事業承継、税金、資産運用と幅広く重なる分野となります。

宅建業に従事している人以外にも宅建士はおすすめです。というのも私たちが生活していくうえで、「住」は必要不可欠です。自己所有or賃貸、戸建て、マンション、アパートとさまざまですが、不動産に関する知識をつけることは、ファイナンシャルプランニング技能士の知識と相乗効果となります。

日商簿記

日商簿記検定は、個人事業主や企業の会計に関する検定試験です。

簿記の知識は、企業で働く際にあった方が良い知識ですのでおすすめです。

簿記は3級・2級・1級とありますが、1級は難易度が高く、3級か2級がおすすめです。簿記は、ファイナンシャルプランニング技能士に限らずあらゆる資格取得と相性が良いです。

FP1級を目指そう!

FP2級合格後にFP以外の資格を目指すのも良いですが、やはりFP1級に挑戦することがおすすめです。

FP1級は難易度が高くなりますが、FP2級で学習した内容からさらに深く、広く知識を体型的に学ぶことで、より実践的な事例問題に対しての解決策を図れるようになれます。

なにより、FP3級やFP2級で学習してきた内容がそのまま試験対策になります。

FP1級については、以下の記事で解説しています。
»FP1級学科試験の最短合格を目指す方法について
»FP(ファイナンシャルプランナー)1級合格へのおすすめルートについて

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