【合格率・難易度・勉強時間】行政書士試験について【他資格との比較】

行政書士試験を受験する人
行政書士の合格率や難易度を知りたいな。
合格までに必要な勉強時間が必要なんだろう・・・
初学者でも合格可能な試験なのか知りたい。

行政書士は、行政書士法(昭和26年法律第4号)により作られた国家資格です。他人から依頼を受け、官公署に提出する書類、権利義務や事実証明に関する書類を作成して報酬を得ることができます。

当記事では、行政書士試験の合格率、難易度、特に初学者が合格に必要な勉強時間、他の国家資格との比較について解説しています。

記事の筆者
【保有資格】
行政書士試験合格
マンション管理士
宅地建物取引士
管理業務主任者
独学で合格した経験から資格試験のポイント、勉強方法などを解説しています。

行政書士試験を受験するなら、行政書士試験のことを知ることが合格への第一歩です。

おすすめの通信講座については、以下の記事で紹介しています。
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【合格率・難易度・勉強時間】行政書士試験について【他資格との比較】

行政書士試験は、出題形式に関して2000年と2006年に改正が行われました。試験年度の結果については、2000年度以降について、記載します。

行政書士試験の合格率の推移

実施年度受験者合格者合格率
2000年44,446人3,558人8.01%
2001年61,065人6,691人10.96%
2002年67,040人12.894人19.23%
2003年81,242人2,345人2.89%
2004年78,683人4,196人5.33%
2005年74,762人1,961人2.62%
2006年70,713人3,385人4.79%
2007年65,157人5,631人8.64%
2008年63,907人4,133人6.47%
2009年67,348人6,095人9.05%
2010年70,576人4,662人6.6%
2011年66,297人5,337人8.05%
2012年59,948人5,508人9.19%
2013年55,436人5,597人10.1%
2014年48,869人4,043人8.27%
2015年44,366人5,814人13.1%
2016年41,053人4,084人9.95%
2017年40,449人6,360人15.72%
2018年39,105人4,968人12.7%
2019年39,821人4,571人11.5%
2020年41,681人4,470人10.7%
2021年61,869人5,353人8.6%
2022年

行政書士試験の合格率は、おおむね12%前後となります。

行政書士試験は、受験資格が無いため、若年者から高齢者まで幅広い人が受験します。2021年度試験の場合、最年長合格者は82歳、最年少合格者は14歳という結果です。

行政書士試験の難易度

行政書士試験は、国家資格(業務独占資格)です。

合格するためには学習期間を作り、しっかりと対策をする必要があります。

合格率からみた難易度

・試験は絶対評価
・合格率は12%前後
・合格に必要な点数は、180点(300点満点)

行政書士試験は、絶対評価の試験です。300点満点の試験で180点をとれれば合格となります。つまり、60%の得点率で合格が可能です。(ただし、法令知識・一般知識で基準点あり)

60%得点できれば合格なら簡単そうに思えますが、実際の合格率は12%前後と難関な試験です。

さらに、単純な合格率で難易度を判断できない理由があります。それは、司法試験の予備試験受験予定者やロースクールの学生といった司法試験受験者が習熟度の確認、模試感覚で行政書士試験を受験しているということです。

実際に、筆者が行政書士試験を受験した時、ロースクール学生と思われる人々を目にしました。司法試験受験生にとって、行政書士試験は高得点で合格して当然の試験といえます。また、司法試験に合格できなかった人たちのある種、セーフティーネット的な位置付けにもあります。

そのため、行政書士試験を受験する初学者の人は、合格率で判断してはいけないという結論になります。

勉強時間からみた難易度

・初学者なら800時間が目安
・宅地建物取引士や管理業務主任者の合格者は若干有利

行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、初学者と他資格を取得している人で異なります。

初学者の場合、おおよその目安として800時間程度の勉強時間が必要となります。期間としては、6ヶ月以上が目安です。

他資格持ちのパターンとしてよくあるのは、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の合格者が行政書士試験に挑戦するというケースです。

この場合、重複する民法の分野で勉強時間を短縮できます。

・試験範囲の重なる部分で勉強時間が短縮できる
・立法目的、制度趣旨の観点から問題を捉えることができる

1つめの試験範囲の重複部分について、勉強時間を短縮できるとは、習範囲について、インプット(テキストの読み込み)が多少不要となり、アウトプット(問題演習)に取り組む時間を増やすことができるという強みがあります。

2つめの理由は、他資格の試験勉強を通じて各法律の立法目的や制度趣旨を学ぶことで、論点や重要な箇所について捉える力が養われるからです。たとえ未修学の分野であっても、論点整理がスムーズにいくことで効率よく学習が進められます。

他資格との比較

・宅地建物取引士
・社会保険労務士
・管理業務主任者
・マンション管理士

宅地建物取引士は法律系の入門的資格といえ、毎年20万人程度が受験する資格です。

宅建士に合格後、行政書士を目指すという人も多く、筆者も宅建士、マンション管理士に合格後に行政書士試験の学習を始めました。

民法の科目が行政書士試験と重複するため、若干の勉強時間が短縮できます。とはいえ、行政書士試験の民法の方が広く深く出題されるため、更なる学習が必要です。

行政書士試験は、社会保険労務士の資格を取得した人が目指すケースや行政書士試験に合格後、社会保険労務士に挑戦するケースも多いです。というのも、両者の資格の性質上、書類の作成や申請書などの提出代行など相性のよい資格だからです。

資格名関連業務合格率勉強時間の目安
行政書士官公庁への書類作成、提出代行8.6%(2021年度)800時間
社会保険労務士社会保険関連の書類作成、提出代行5.2%(2022年度)1000時間
宅地建物取引士宅地建物取引に関する業務17.0%(2022年度)300時間
マンション管理士分譲マンション管理組合へのコンサル9.9%(2021年度)600時間

勉強時間は、初学者が合格を目指したときの目安となります。

他資格に合格済みの人は、受験科目が相互に重複する分野について時間短縮ができます。例えば、宅建士やマンション管理士の民法の分野は、行政書士でも出題されますし、社会保険労務士で問われる有名な判例は、行政書士の憲法や行政法で出題されたりします。

つまり、既習の分野が増えれば増えるほど、勉強時間は短縮できるということになります。筆者の実体験では、宅地建物取引士とマンション管理士を取得後に受験した行政書士試験では、450時間の勉強時間で行政書士試験に合格することができました。

まとめ

・合格率は12%前後
・難易度は難
・合格に必要な勉強時間は800時間

行政書士試験は、6ヶ月以上の期間を計画立てて学習を進める必要がある資格です。

スケジュールや自己管理をしっかりと行える人は独学でも合格可能です。独学で合格を目指すときのおすすめテキスト、問題集を以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。
»【2023年度・独学】行政書士試験のおすすめテキスト・問題集31選

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