
試験の概要や勉強方法、合格に必要な情報を知りたい。
独学で合格したいけど、できるのかな…
管理業務主任者試験は、区分所有マンションの管理に必要な国家資格です。2000年に制定された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」により成立しました。
当記事では、管理業務主任者についての疑問にお答えします。
よくある疑問
・管理業務主任者ってどんな資格?
・不動産業界で働くときには必要?
・試験は難しい?合格率や必要な学習時間は?
・独学でも合格可能?資格スクールを利用した方が良い?
・合格までに必要な費用や維持費は?
・管理業務主任者と相性の良い資格は?

管理業務主任者・マンション管理士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・ファイナンシャルプランニング技能士1級
すべて独学で合格した経験をもとに、管理業務主任者について解説します。
管理業務主任者試験の受験を志したときから合格後のことまでナビゲートします。
順を追って解説しますので、気になるところがある人は目次から飛んでください。
【ステップ1】管理業務主任者試験について知ろう
まずは、管理業務主任者ってどんな資格?どんな試験なの?ということについて解説します。
資格試験を受験するときには、最初に資格のこと、試験のことについて知ることが合格への第一歩です。
というのも、資格の成立過程や趣旨目的というのは、業務独占資格(業務をするには資格者が必要)において重要です。試験問題でも出題されることがあるため、資格について知ることは試験対策へとつながります。
管理業務主任者は分譲マンション管理会社に必要な資格
管理業務主任者は、分譲マンションを管理しているマンション管理会社に必要な資格です。
会社として業務をするには、管理業務主任者の有資格者が必要なこと、管理業務主任者だけができる業務があるからです。このように業務を行うのに有資格者が必要な資格を業務独占資格と呼びます。
管理業務主任者は、業務独占資格であるからこそ貴重であり、会社から必要とされます。
- マンション管理会社には専任の管理業務主任者が必要
- ・マンション管理会社の事務所ごとに専任の管理業務主任者が必要
・管理組合30組合につき1人以上、成年者の専任管理業務主任者が必要
専任とは、もっぱらその会社の事務所に従事している人です。マンション管理会社では、事務所ごとに専任の管理業務主任者が必要です。事務所ごとに必要であることがポイントです。
さらに管理する管理組合30につき1人以上の成年者の管理業務主任者が必要です。ざっくりと言うと分譲マンション30棟管理するには1人、60棟管理するには2人の管理業務主任者が必要となります。
- 管理業務主任者の独占業務
- ・管理受託契約締結前の重要事項説明
・重要事項に関する書面への記名・押印
・管理受託契約書への記名・押印
・管理事務に関する報告
管理業務主任者だけができる業務が上記の4つです。
管理組合からマンション管理を受託するときの説明や書類への記名押印、定期的な管理状況の報告については、管理業務主任者が行います。
資格手当が出ることが多い
・5,000〜20,000円程度
管理業務主任者は、マンション管理会社に必須の資格です。そのため、有資格者には資格手当のある会社がほとんどです。資格手当については、おおむね5,000〜20,000円の範囲内が多いです。
管理業務主任者のできることの詳細は、以下の記事で解説しています。
»管理業務主任者試験の概要【なぜ必要?有資格者ができることの解説】
試験の概要
1、試験日程・・・12月1週目の日曜日(年に1回)
2、合格発表・・・翌年1月下旬
3、試験地・・・全国8カ所
4、受験要件・・・受験要件なし(誰でも受験できます)
5、受験料・・・8,900円
6、出題形式・・・4肢択一のマークシート
試験日程は、毎年12月1週目の日曜日が管理業務主任者の試験日です。前週の11月最終週の日曜日がマンション管理士試験のため、2週連続で受験する人もいます。
試験地は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県の全国8カ所です。各都道府県の主要都市が試験地に選ばれます。受験申込時に試験地の選択はできますが、試験会場までは選ぶことはできません。
受験要件はありません。管理業務主任者試験は、年齢、学歴など関係なく誰でも受験できます。
受験料は、8,900円(非課税)です。資格試験には、受験料に消費税が課税される資格と非課税の資格があります。
ざっくり言うと、国家資格は非課税です。受験料と消費税の関係については、以下の記事で詳細を解説しています。
»【課税・非課税】資格試験の受験料と消費税の関係【国家資格・民間資格】
7、出題範囲
・管理事務の委託契約に関すること
・管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
・建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
・マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
・上記4つの以外に管理事務の実施に関すること
出題については、民法、マンション管理業法、建築の構造や設備、簿記の知識など広い範囲から出題されます。
8、合格率・・・18.9%(2022年度結果)
管理業務主任者試験は相対評価の試験です。あらかじめ何点以上は合格と定められておらず、合格率は、おおむね20%〜25%となるように合格点が設定されます。
つまり自分の点数が低くても、他の受験生も低得点であれば合格できる可能性があります。
直近5年の試験結果は以下となります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
2018年 | 16,249人 | 3,531人 | 21.7% | 33点 |
2019年 | 15,591人 | 3,617人 | 23.2% | 34点 |
2020年 | 15,667人 | 3,739人 | 23.9% | 37点 |
2021年 | 16,538人 | 3,203人 | 19.4% | 35点 |
2022年 | 16,217人 | 3,065人 | 18.9% | 36点 |
合格率を20%前半となるように合格点を設定しているため、年度によって合格点にばらつきがあります。問題が比較的簡単な年度は合格点が高くなり、難しい年度は低くなります。
試験の難易度については、以下の記事で解説しています。
»【合格率・難易度・勉強時間】管理業務主任者試験について【他不動産3資格との比較】
マンション管理士はコンサル資格、管理業務主任者は管理の資格
- マンション管理士
- 管理組合を相手にマンション管理全般に関するコンサルティング業務をする名称独占資格
- 管理業務主任者
- 管理組合から委託を受けて、マンション管理をするために必要な業務独占資格
マンション管理の適正化法によって、マンション管理士と管理業務主任者は成立しました。両者は試験範囲もほぼ同じで、試験日も1週間違いのためダブル受験する人も多い資格です。
ただし、資格の内容は大きく異なり、マンション管理士はコンサル資格、管理業務主任者はマンション管理の資格となります。
マンション管理士は、管理組合を相手としてマンションの運営や管理に関する全般をアドバイスすることを目的としたコンサルティング業務を行うための資格です。ただし、マンション管理士に独占業務はありません。マンション管理士でなくてもマンション運営に関する相談業務をうけることはできます。
マンション管理士に認められるのは、マンション管理士という名称を独占して使用できることです。マンション管理士で無い人が、マンション管理士を名乗ることは法令に違反することになります。
とはいえ、マンション管理士は難易度が高く、管理業務主任者の合格者が箔付けのため、マンション管理会社によっては、管理職登用への要件であったり、資格手当のために取得を目指す人が多い資格です。
業務独占資格や名称独占資格については、以下の記事で解説しています。
»【不動産資格】国家資格と民間資格について【宅建士・管業・マン管】
マンション管理士合格者は、5問免除の制度を受けられる
- 5問免除制度を利用するための要件
- マンション管理士試験の合格者
管理業務主任者試験には、5問免除制度があります。「マンション管理の適正化法」について出題される46〜50問目までの5問が免除となります。簡単に言うと、対象の5問を解く必要がなく、全問正解として扱われます。
ただし、5問免除制度を利用するためには、マンション管理士試験に合格している必要があります。マンション管理士試験の出題範囲は管理業務主任者とほぼ同じですが、試験難易度は、マンション管理士の方がかなり高いといえます。
そのため、管理業務主任者の5問免除制度を利用するため、マンション管理士に合格しておこうというのは、現実的ではありません。
ちなみにマンション管理士試験でも5問免除制度はあり、管理業務主任者試験合格者が5問免除制度を利用できます。マンション管理士試験での5問免除制度の効果は大きいので、マンション管理士合格を目指す人は、管理業務主任者試験に合格しておくと有利になります。
マンション管理士試験については、以下の記事で解説しています。
»マンション管理士試験の概要【資格者のできること・試験科目・出題形式】
»【合格率・難易度・勉強時間】マンション管理士試験について【他不動産3資格との比較】
【ステップ2】管理業務主任者試験の学習をしよう
管理業務主任者試験に合格するため、必要な学習の解説をします。
初めて管理業務主任者試験を受験する人、資格試験自体初めてと言う人は、合格できるのか不安かもしれません。
学習のポイントから必要な学習量、学習スケジュールや模試の活用など解説してきます。
独学or資格スクール
管理業務主任者試験の学習をするとき、独学or資格スクールを利用することに大きくわかれます。
簡単に独学と資格スクールのメリット、デメリットは以下となります。
メリット | デメリット | |
独学 | ・費用が安い ・自分で学習計画カスタマイズ | ・初学者には理解に時間がかかる ・自己管理、学習計画が難しい |
資格スクール | ・初学者でもわかりやすい講義 ・効率よく最短での合格が可能 | ・費用が掛かる ・通学は決められた日時に拘束 |
独学の一番のメリットは、費用を安くできるということです。受験料、登録料といった必要費以外は、市販のテキストや問題集を購入するだけです。
デメリットは、テキストの内容を理解するのに時間が掛かったり、学習計画を立てることや自己管理が上手くできないことです。初学者や資格試験の受験に慣れていない人は、悩むかもしれません。
独学におすすめのテキスト・問題集は、以下の記事で紹介しています。
»管理業務主任者のおすすめテキスト・問題集9選
資格スクールのメリットは、理解が進むわかりやすい講義で効率よく最短で合格へ導いてくれることです。特に会社勤めで資格取得を目指している人、初めての受験で何から学べばいいのかわからない人におすすめです。
デメリットは、独学に比べて費用が掛かることですが、合格までを時間短縮できる価値を考えると結果的にお徳といえます。通学だと講義日程が決まっているため、自分の都合に合わないことがあります。柔軟に自分のスケジュールにあわせて受講したいという人には、オンラインの資格スクール受講(通信講座)がおすすめです。
通信講座の場合、いつでもどこでも受講ができます。自宅のパソコン前でしっかり講義を受ける、図書館の自習スペース、カフェで受講することもできます。
また、スマホに特化した講座もあります。通勤、通学や日常のちょっとしたスキマ時間を有効活用できますので、あまり時間はないけど、なんとか工夫して合格したいという人には特におすすめです。
通信講座は、講師の人のサンプル講義を受けて、自分の学習スタイルにあった講座を選べるところが魅力です。
管理業務主任者のおすすめ通信講座は、以下の記事で紹介しています。
»管理業務主任者・マンション管理士の通信講座おすすめ厳選3選
通信講座を受講しようとする人 管理業務主任者・マンション管理士の通信講座を受講しようと思うけど、どれを選べばいいのだろう…自分に合った講座や選び方のポイントを知りたいな… 管理業務主任者は、マンション管理会社に必須の資格です。[…]
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合格に必要な学習時間250時間とスケジュール
- 合格に必要な学習時間
- ・250時間
管理業務主任者試験の合格に必要な学習時間の目安は250時間です。これは初学者の目安のため、例えば宅建士を取得済みの人はもっと短い学習時間で合格することが可能となります。というのも、民法や区分所有法といった重複する分野について、学習時間を短縮できるからです。
参考として不動産関係資格の学習時間の目安は以下となります。
資格名 | 関連業種 | 合格率(2022年) | 学習時間の目安 |
宅地建物取引士 | 売買・仲介 | 17.0% | 300時間 |
マンション管理士 | 分譲マンション 管理組合へのコンサル | 11.5% | 500時間 |
賃貸不動産経営管理士 | 賃貸物件の管理 | 27.7% | 150時間 |
管理業務主任者試験の学習スケジュールは、5ヶ月を目安に計画することがおすすめです。
学習時間の目安250時間から逆算して計画を立てます。
- 学習スケジュール
- 学習期間:150日間(7月上旬〜12月上旬)
学習時間:毎日100分
学習時間250時間(15,000分)を5ヶ月(150日)で消化しようとすると1日あたり100分、1週間あたり700分(11時間程度)となります。
毎日100分でも良いですし、平日は1時間、休日にガッツリ学習して週に11時間以上でも良いですが、平日は学習時間ゼロで週2日の休日にまとめて学習といった方法はやめた方が良いです。
ポイントは毎日継続して学習をすることです。学習は、継続と繰り返しにより知識が定着して効率の良い学習ができるからです。
勉強に集中できないという人には以下の記事を参考にしてください。
»勉強におすすめのノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホン4選【無音・無線】
勉強方法は継続と繰り返し
勉強方法については、テキストを読むインプットと過去問題集を解くアウトプットを継続して繰り返すことが重要です。何度も繰り返すことで知識の定着が進みます。
過去問題集については、5回は同じ問題を解くようにします。間隔を空けて繰り返し問題集を5周することが重要です。
勉強方法の例
1、テキスト読む
2、テキスト該当箇所の問題集を解く(1周目)
3、わからない問題を解説やテキストでチェック
—3日〜5日後—
4、2の箇所の問題集を解く(2周目)
5、わからない問題を解説やテキストでチェック
—7日後—
6、2の箇所の問題集を解く(3周目)
7、わからない問題を解説やテキストでチェック
8、完答できる問題は、4回目以降は解かない
—7日後—
9、2の箇所の問題集を解く(4周目)
10、わからない問題を解説やテキストでチェック
—7日後—
11、2の箇所の問題集を解く(5周目)
12、わからない問題を解説やテキストでチェック
13、この時点で完答できない問題をピックアップ
14、13でピックアップした問題のみ再度学習
問題集は3回は解いたあと、さらに間違えた問題や完答できない問題のみ4・5回目とできるようになるまで繰り返します。完答できる問題をこれ以上繰り返すことは時間効率が悪くなるのでおすすめしません。
解けなかった問題のみ繰り返すため、問題集の周回速度は早くなります。
建物構造や設備は、文章だけでなくビジュアルで覚えることがおすすめ
建物の構造・設備は、文章を読んでも理解できないことがあります。おすすめはイラスト、写真や映像のビジュアルで学習することです。
テキストには、イラストや写真もありますが、ページ数の関係ですべてを網羅することは難しいといえます。テキスト以外にGoogleの画像検索やYouTubeを活用するとわかりやすいのでおすすめです。検索で知りたい構造や設備を入れると画像や映像で解説が見つかります。
例えば、「免震構造」「制振構造」「改質アスファルトルーフィングシート 防水」などです。地震が起きたときの免震構造が果たす揺れ方といった動きを映像で見ることで、制振構造との違いをイメージしやすく、単に文章を読んでいるよりも知識の定着がスムーズにできます。
設備や建物構造についての勉強方法の詳細は、以下の記事で解説しています。
»【勉強方法】管理業務主任者・マンション管理士の構造・設備問題対策
模擬試験で試験の場慣れと客観的データがわかる
独学で学習をしていると客観的な自分の実力がわからず、合格できる実力がついているのか不安になることがあります。そのような場合、模擬試験を受験することをおすすめします。
模擬試験を受験することで、試験の場慣れと試験結果データで客観的な自己分析ができます。
おすすめの模擬試験を2社紹介します。会場受験だけでなく、自宅での受験も可能です。
2023年度の情報は2023年8月頃に更新予定です。
公開模試 | ![]() TAC | ![]() LEC |
価格 | ¥4,100 | ¥2,420〜4,400 |
受験方法 | 会場受験or自宅受験 | 会場受験or自宅受験 |
受験会場 | 全国20会場 | 全国21会場 |
自宅受験の可否 | 可能 | 可能 |
申込期限(会場受験) | 2021年11月10日(水) | 受験会場によります。 |
自宅受験の教材発送日 | 2021年11月5日 | 2022年10月13日(木) |
受験日(会場受験) | 2021年11月20日(土) | 2022年10月12日(水) 〜 2022年10月30日(日) |
受験日(自宅受験締切日) | 2021年11月19日(金) | 2022年10月28日(金) LECへの答案必着 |
試験結果 | 2021年11月26日(金) | 2022年11月14日(月) |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る |
模擬試験を受けるメリットや詳細については、以下の記事で解説しています。
»管理業務主任者のおすすめ模擬試験
受験後は、自己採点と合格予想点を確認する
受験後は、その日のうちに各資格試験スクールより解答速報が公表されます。自己採点をして、自分が何点取れたかを確認しましょう。
ただし、スクール毎の解答速報によっては、正答とする選択肢が異なる場合があります。これは通称、「われもん」と呼ばれており、試験問題作成時の不備によって解答が割れてしまいます。
そのほか、単純にスクールが解答を間違えたという場合もありますが、注意が必要なのは、われもんが発生したとき、自分の解答にわれもんが含まれるのかです。
われもんの有無をチェックすることにより精度の高い自己採点ができます。
そのほか、資格スクールでは合格予想点を公表しています。長年の実績に基づくデータから合格予想点数を出していますので、毎年、若干のズレはありますが、おおむね的中することが多いです。
主要資格スクールの解答速報と合格予想点については、以下の記事で紹介しています。
»管理業務主任者の合格予想点数と解答速報まとめ一覧
【ステップ3】合格後は、管理業務主任者に登録しよう
管理業務主任者に無事合格できたら、登録をしましょう。試験に合格しただけでは、管理業務主任者として活動することはできません。
登録には実務経験が必要、無い人は実務講習を受講しよう
- 管理業務主任者の登録要件
- ・実務経験2年以上
・実務経験に代わる講習の修了者
試験に合格後、管理業務主任者として活躍するには、登録が必要です。
登録をするための要件として、管理事務について実務経験2年以上が必要です。簡単に言うと、分譲マンションの管理会社で2年以上働いていれば、実務経験ありです。
実務経験がない人は、登録実務講習と呼ばれる講習を受講して修了試験に合格することで、実務経験に代えることができます。実務経験無しで登録をしたいときには、登録実務講習を受けましょう。修了試験がありますが、普通に受講していれば、合格できます。落とすための試験ではないため、確認テスト程度のものです。
1、申し込み
2、スクーリング(実施会場で2日間の講習)
3、修了試験
4、修了証の交付
講習の費用は、講習の実施団体により異なり16,500〜22,550円(2021年度実績)となります。
費用や開催場所などの登録実務講習の詳細は、以下の記事で解説しています。
»管理業務主任者の登録実務講習の比較一覧【最安・費用・場所】
管理業務主任者の登録をしよう
- 管理業務主任者の登録要件
- ・実務経験2年以上
・実務経験に代わる講習の修了者
管理業務主任者の登録は、国土交通省が管轄する各地方整備局へ申請をします。居住する地域によって申請先の地方整備局が異なるため、注意しましょう。
実務経験の無い人は、上記の登録実務講習を修了することで実務経験に代えられます。
登録が完了すると地方整備局長名での管理業務主任者証が交付されます。
- 登録と管理業務主任者証の交付に必要な費用
- ・登録手数料4,250円(収入印紙を貼付)
・管理業務主任者証の交付手数料2,300円(収入印紙を貼付)
・返信用切手404円
登録申請は、収入印紙4,250円分を申請書類に貼付して手続きします。
その後、登録が完了すると通知書が届くため、管理業務主任者証の交付申請書に収入印紙2,300円分を貼付して手続きをします。また、管理業務主任者証の交付時の返信用封筒に切手404円を貼り準備する必要があります。
収入印紙は郵便局で購入できます。ピッタリの金額は無いため、4,000円+200円+50円=4,250円の3枚、2,000円+300円=2,300円の2枚と複数枚の印紙になります。
手続きに関しては、国土交通省の”管理業務主任者証の交付を受けるまでの手続きについて”をご参照ください。
取得までの費用と維持費
管理業務主任者に合格するまでの最低限の費用は15,000円です。また、合格後の維持費は18,500円/10年(年間1,850円)となります。
独学で合格を目指すときの最低限の費用、資格スクールを利用したときの費用の目安は以下です。
独学 (実務経験あり) | 独学 (実務経験なし) | 資格スクール (実務経験あり) | 資格スクール (実務経験なし) | |
テキスト・問題集 | 6,000円 | 6,000円 | – | – |
資格スクール利用 | – | – | 50,000円 | 50,000円 |
受験料 | 8,900円 | 8,900円 | 8,900円 | 8,900円 |
合格までの費用 | 14,900円 | 14,900円 | 58,900円 | 58,900円 |
登録実務講習 | – | 16,500円 | – | 16,500円 |
登録料 | 6,550円 | 6,550円 | 6,550円 | 6,550円 |
登録までの費用 | 21,450円 | 37,950円 | 65,450円 | 81,950円 |
更新(5年毎) | 11,950円 | 11,950円 | 11,950円 | 11,950円 |
10年間の合計費用 | 33,400円 | 49,900円 | 77,400円 | 93,900円 |
最低限かかる費用については、独学or資格スクールと実務経験ありorなしで大きく変わります。
費用と維持費については、以下の記事で解説しています。
»管理業務主任者試験を合格するのに最低限かかる費用と維持費について
管理業務主任者と相性の良い国家資格・公的資格
- 管理業務主任者と相性の良い国家資格・公的資格
- ・宅地建物取引士
・マンション管理士
・ファイナンシャルプランニング技能士
・日商簿記
管理業務主任者は、分譲マンションの管理組合からマンション管理を任されることが主な業務です。
とはいえ、マンション管理業といっても業務に関連する様々な知識が求められます。そこで、管理業務主任者に合格後おすすめする国家資格を4つご紹介します。
管理業務主任者試験と試験範囲が重複する資格もありますので、合格後に期間を空けずに取得していくと最短での合格も可能です。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸等の仲介についての資格です。宅建士がいないと宅地建物取引業ができないため、宅建業をする会社では必須の資格です。
不動産会社で働くうえで宅地建物取引士は非常におすすめです。売買仲介の知識を身につけることはマンション管理でも役に立ちます。
宅地建物取引士試験については、以下の記事で解説しています。
»【合格率・難易度・勉強時間】宅地建物取引士試験について【他不動産3資格との比較】
マンション管理士
マンション管理士は、管理業務主任者とほぼ同じ試験範囲から出題されます。違いと言えば、管理業務主任者はマンション管理の資格に対し、マンション管理士はマンション管理組合のコンサルティング業務ということです。
マンション管理会社では、管理職への登用にマンション管理士合格が必要であったり、資格手当が出たりするため、箔付けやさらなるブラッシュアップのために管理業務主任者合格後、マンション管理士を目指すことがおすすめです。
難易度的には管理業務主任者よりも難しいですが、管理業務主任者に合格後であれば5問免除の制度もあります。
マンション管理士試験については、以下の記事で解説しています。
»マンション管理士試験の概要【資格者のできること・試験科目・出題形式】
»【合格率・難易度・勉強時間】マンション管理士試験について【他不動産3資格との比較】
ファイナンシャルプランニング技能士
ファイナンシャルプランニング技能士は、国家技能検定で3級から1級まであります。一般的にファイナンシャルプランナーと言われていますが、資格自体の正式名称はファイナンシャルプランニング技能士です。
試験範囲は、不動産分野以外に、保険、金融、社会保険制度、税制、相続に関する幅広い分野が出題されます。賃貸管理業務は、建物所有者との間で税制度、相続対策、事業承継といった業務が関わってくるため、ファイナンシャルプランニング技能士の知識が役に立ちます。
ファイナンシャルプランニング技能士試験は、3級〜1級まであります。まずは3級から始めて、2級以上を目指しても良いですし、最初から2級や1級に挑戦することも可能です。(2級以上は、受験要件があります)
ファイナンシャルプランニング技能士試験については、以下の記事で解説しています。
»【難易度・合格率・勉強時間】FP技能士3級試験について【きんざい・日本FP協会】
日商簿記検定
日商簿記検定は、個人事業主や企業の会計に関する検定試験です。
簿記の知識は不動産業に限らず、企業で働く際にあった方が良い知識ですのでおすすめです。
簿記は3級・2級・1級とありますが、1級は難易度が高く、単に不動産業界の会計部門で働くのでなければ、3級か2級がおすすめです。
簿記は、賃貸不動産経営管理士に限らずあらゆる資格取得と相性が良いです。
不動産業界で働く、転職を考えている人には以下の記事がおすすめです。
»不動産会社に就職・転職するときに有利なおすすめ資格16選