【完全版】賃貸不動産経営管理士試験に合格するためのロードマップを徹底解説

賃貸不動産経営管理士の合格を目指す人
賃貸不動産経営管理士ってどんな資格だろう…
試験の概要や勉強方法、合格までに必要な情報について知りたい。
独学で合格したいけど、できるのかな…

賃貸不動産経営管理士は、2021年に国家資格となった注目の賃貸物件の管理に関する資格です。

当記事では、賃貸不動産経営管理士試験の合格を目指す人が試験の概要(合格率、難易度)から勉強方法、合格後の登録からダブルライセンスとして相性の良い国家資格まで解説します。

筆者
【保有資格】
・賃貸不動産経営管理士
・管理業務主任者
・宅地建物取引士
・マンション管理士
すべて独学で合格した経験をもとに、賃貸不動産経営管理士について解説します。

賃貸不動産経営管理士は、近年、難易度が高くなっています。特に2021年に国家資格化されたことで今後、受験者の増加、更なる難易度の上昇が予想されます。

とはいえ、初学者が1回目の受験で合格することは可能です。そのためには、試験のことを知り、正しい勉強方法という合格するための努力が必要です。

当記事では、賃貸不動産経営管理士試験の受験を志したときから合格後のことまでナビゲートします。

賃貸不動産経営管理士とは

賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産のアパート・マンション・テナントなどの管理に関する資格です。

賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家です。

賃貸住宅は、人々にとって重要な住居形態であり、その建物を適正に維持・管理することは人々の安心できる生活環境に直結します。

そのため、継続的かつ安定的で良質な管理サービスに対する社会的な期待や要望は多く、賃貸不動産の管理業務にかかわる幅広い知識を有する賃貸不動産経営管理士の活躍が期待されています。

引用元:賃貸不動産経営管理士協議会

また、2021年6月度より一定規模以上(管理戸数200戸以上)の賃貸不動産の管理会社は、国土交通省へ管理業者としての登録が義務化されることになりました。これにより、管理業者として登録した事業者は、事務所毎に業務管理者を置く必要があります。

この業務管理者となるための要件が賃貸不動産経営管理士です。

簡単にいうと、賃貸不動産経営管理士はアパートやマンションといった賃貸不動産管理会社にとって必須の資格です。

国家資格化について

賃貸不動産経営管理士は、2021年4月に政省令で制定され、2021年6月に国家資格となりました。これにより、2021年度以降の賃貸不動産経営管理士試験は、国家資格として扱われます。

国家資格への移行講習については、2020年度以前に賃貸不動産経営管理士資格を取得済みの人を対象としているため、2021年度以降の試験を受ける人には関係のない内容となります。

また、2020年度以前の講習を修了または試験により賃貸不動産経営管理士に合格して登録をしている人については、2021年5月〜2022年6月(みなし期間あり)に国家資格化への移行講習が行われます。

移行講習を修了することにより、2021年度試験以降に合格した登録者と同様の扱いとなります。

移行講習の概要

講習方法・・・オンラインでの講習
実施期間・・・2021年5月7日〜2022年6月
受講料・・・7,700円(税込)テキスト含む
修了要件・・・効果測定テストで7割以上の正答

移行講習は、eラーニングのため、パソコン、タブレット、スマホを使用してオンラインでの受講です。期間内であれば、都合の良い時間にいつでも受講できます。

講習の最後に効果測定テストがあります。効果測定テストで7割以上の正答をすることで移行講習を修了となります。

2020年度以前の賃貸不動産経営管理士試験に合格済みの人は、登録して移行講習を修了することで国家資格と同様の扱いとなりますので、忘れずに受講することをおすすめします。

試験の概要

1、試験日程・・・11月3週目の日曜日
2、合格発表・・・試験日の翌年1月
3、試験地・・・全国36地域
4、受験要件・・・受験要件無し
5、受験料・・・13,200円(税込)
6、出題形式・・・問題全50問のマークシート方式(4肢択一)

賃貸不動産経営管理士の試験は、例年、11月3週目の日曜日が試験日となります。
試験は、全国36の地域で行われます。例えば、東京都であれば東京都内の複数の会場が準備されます。試験の申し込みの際に受験地の指定はできますが、会場までは選べません。

賃貸不動産経営管理士試験を受験するために特別な受験要件はありません。年齢、性別、学歴(例えば高卒以上)関係なく、誰でも受験することができます。ちなみに2021年度試験での最年少合格者は18歳、最高齢合格者は85歳と幅広い年齢層の人が合格(合格者平均年齢42歳)しています。

受験料は、12,000円に消費税が加算された13,200円です。
資格試験受験料に対する消費税の課税、非課税についての詳細は、以下の記事で解説しています。
»【課税・非課税】資格試験の受験料と消費税の関係【国家資格・民間資格】

出題形式は、4肢択一のマークシート方式です。4つの選択肢から1つを選びます。記述式は無いため、たとえわからなくても25%の確率で正解できることになります。

7、試験の出題範囲
・管理受託契約に関する事項
・管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
・家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
・賃貸住宅の賃貸借に関する事項
・法に関する事項
・1から5までに掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項


出題は、幅広い範囲から出題されます。どちらかというと広く浅く出題されます。

とはいえ、2021年度試験からは国家資格試験となり、2020年度以前から年々問題の難易度は上がっていますので、今後も難化していくと予想されます。

8、合格率・・・27.7%(2022年度)


合格率については、2020年度試験の合格率は、試験制度が始まって以来、初めて合格率が30%と切り29.8%という結果でした。直近3年間の試験結果は以下です。

年度申込者数受験者数合格者数合格率合格点
2020年29,59127,3388,14629.8%34(50問中)
正答率68%
2021年35,55332,45910,24031.5%40(50問中)
正答率80%
2022年35,02631,6878,77427.7%34(50問中)
正答率68%

似たような国家資格試験の管理業務主任者の合格率が23%前後のため、賃貸不動産経営管理士についても段階的に合格率を下げ、最終的に20%前半で推移していくのではと予想します。

賃貸不動産経営管理士試験の概要については、以下の記事で解説しています。
»賃貸不動産経営管理士試験の概要【合格率・難易度・勉強時間・必要な理由】

5問免除講習について

賃貸不動産経営管理士試験には、本番の試験で5問免除となる制度があります。簡単に言うと、5問免除となるための講習を修了することで、出題5問分を解く必要がなく、正解扱いにしてもらえます。

費用が掛かっても合格したいという人は講習を受けた方が良いです。

免除講習の概要
内容:公式テキストを用いた講習1日
日程:7〜9月ごろ
費用:18150円(+公式テキスト代4,054円)
効果:講習を受講した年度と翌年の試験は5問免除を受けられる

講習を受けると、本試験で5問免除となるチャンスは受講年度と翌年の2回あります。

免除となる範囲
免除となる5問は、問46〜50が対象です。(出題50問中)
出題範囲は、幅広い分野から出題される5問です。

参考として、2020年・2021年度試験の免除対象となった5問は以下です。

2020年度出題分野
問46住生活基本計画の目標と民間賃貸住宅に関して
問47賃貸不動産経営管理士「倫理憲章」
問48建築基準法の天井高規定
問49不動産の税金
問50不動産証券化と管理業者の役割
2021年度出題分野
問46賃貸住宅に関する各法律や家賃債務保証業者登録に関して
問47管理業務に関する各法律について
問48賃貸不動産経営管理士の担う役割に関して
問49保険に関して
問50賃貸住宅の物件調査、市場調査に関して
2022年度出題分野
問46コンプライアンスに関して
問47入居者の募集について
問48保険に関して
問49不動産の税金に関して
問50プロパティマネジメントとアセットマネジメントに関して

幅広い分野から出題されます。とはいえ、問題自体の難易度はそこまで高く無いため、しっかり学習を進めている人は失点することは少ないといえます。

5問免除講習についての詳細は、以下の記事で解説しています。
»賃貸不動産経営管理士の5問免除講習について

独学or資格スクール

賃貸不動産経営管理士試験の学習をするとき、大きくわけて独学か資格スクールという方法になります。
簡単にそれぞれのメリット、デメリットをまとめました。

メリットデメリット
独学・費用が安い
・自分で学習計画を立てられる
・初学者には理解に時間がかかる
・自己管理、学習計画が難しい
資格スクール・初学者でもわかりやすい講義
・効率よく最短での合格が可能
・費用が掛かる
・通学は決められた日時に拘束される

独学の一番のメリットは、費用を安く抑えられるということです。受験料や登録料の必ず掛かる費用を除くと、市販のテキスト、問題集を購入という必要最低限の支出で済みます。

デメリットは、テキストの内容を理解するのに時間が掛かったり、学習計画を立てて自己管理が上手くできないことです。特に初学者や資格試験の受験に慣れていない人が陥りやすいと言えます。

独学におすすめのテキストや問題集は、以下の記事で紹介しています。
»賃貸不動産経営管理士試験のおすすめテキスト・問題集10選

おすすめテキスト・問題集

賃管の受験者 賃貸不動産経営管理士試験を独学で合格したい。テキスト・問題集がたくさんあってどれを選べば良いか悩む… 賃貸不動産経営管理士は、2021年に国家資格となった注目の資格です。受験者の増加、試験の難化が予想され[…]

一方、資格スクールの一番のメリットは、効率よく最短で合格まで導いてくれることです。特に働きながら資格取得を目指している人、初学者でどうやって勉強したら良いのかわからない人にはおすすめです。

デメリットは、独学に比べて費用が掛かることですが、合格まで時間短縮できる価値を考えると結果的にお徳かもしれません。資格スクールへ通学だと日程が決まっているため、自分の都合に合わないことがあります。柔軟に自分のスケジュールにあわせて受講したいという人には、オンラインの資格スクール受講(通信講座)がおすすめです。

通信講座の場合、自分の好きなときに受講ができます。自宅のパソコン前でしっかり講義を受けることもできますし、また、スマホに特化した講座もあります。通勤、通学などのスキマ時間を有効活用できますので、あまり時間はないけど合格したいという人には特におすすめです。通信講座は、講師の人のサンプル講義を受けて、自分の学習スタイルにあった講座を選べるところが魅力です。

賃貸不動産経営管理士のおすすめ通信講座は、以下の記事で紹介しています。
»【合格率70.25%!】賃貸不動産経営管理士のアガルート通信講座を徹底レビュー

おすすめ通信講座

合格率70.25%!! この驚異的な合格率は、アガルートアカデミーの「賃貸不動産経営管理士試験 総合講義/総合カリキュラム」を受講した人の2021年度賃貸不動産経営管理士試験の結果です。 試験全体の合格率31.5%に対して、全国平均の2.2[…]


»【合格率70.25%】アガルートの賃貸不動産経営管理士通信講座【口コミ・評判】
»【口コミ・評判】スタディングの賃貸不動産経営管理士通信講座はスマホに特化!

»【2023年・オンライン講座】賃貸不動産経営管理士の通信講座おすすめ厳選3選

おすすめ通信講座

通信講座を受講しようとする人 賃貸不動産経営管理士の通信講座を受講しようと思うけど、どれを選べばいいのだろう…自分に合った講座や選び方のポイントを知りたいな… 2021年に賃貸不動産経営管理士は国家資格となりました。 今後、受験生の[…]

合格に必要な学習時間150時間とスケジュール

合格に必要な学習時間
・150時間
2023年度試験に初学者が合格するための目安

賃貸不動産経営管理士試験に初学者が合格を目指したときの学習時間の目安は150時間です。これは、初学者の目安のため、例えば宅建士や管理業務主任者に合格済みの人は重複する分野の学習が短縮できますので、短い時間での合格が可能となります。

参考までに不動産関係資格の学習時間の目安は以下となります。

資格名関連不動産業種合格率学習時間の目安
賃貸不動産経営管理士賃貸物件の管理27.7%(2022年)150時間
宅地建物取引士不動産の売買・仲介17.0%(2022年)300時間
管理業務主任者分譲マンションの管理19.4%(2021年)250時間

賃貸不動産経営管理士試験の学習スケジュールは、3ヶ月〜5ヶ月を目安に計画を立てるのがおすすめです。
学習時間150時間(9,000分)の目安から逆算して計画を立てます。

学習スケジュール(3ヶ月)
学習期間:90日間(8月20日〜11月20日)
勉強時間:毎日100分
学習スケジュール(5ヶ月)
学習期間:150日間(6月20日〜11月20日)
勉強時間:毎日1時間

学習時間150時間を3ヶ月で消化しようとすると8月20日ごろから、毎日100分の学習となります。

5ヶ月前(6月20日ごろ)から学習を始めるのであれば、毎日1時間の学習となります。

ポイントは毎日学習するということです。大切なのは継続して繰り返し学習することが重要です。

休みの日にまとめて学習しようとするのは、やめた方が良いです。短時間でも毎日学習することが知識の定着につながります。

勉強に集中できないという人には以下の記事を参考にしてください。
»勉強におすすめのノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホン4選【無音・無線】

勉強方法は継続と繰り返しが重要

勉強方法については、インプットとアウトプットを継続して繰り返すことが重要です。何度も同じ問題を繰り返すことで知識の定着ができます。

勉強方法の例

インプット:テキスト読む

アウトプット:問題を解く(1周目)

インプット:わからないところをテキストでチェック

アウトプット:問題を解く(2周目)

インプット:わからないところをテキストでチェック

インプット:問題を解く(3周目)

問題集は最低でも3回は解いたあと、さらに間違えた問題や完答できない問題のみ4・5回目とできるようになるまで繰り返します。

繰り返すうちに完璧に解ける問題は解く必要が無いため、周回速度は早くなります。特に法令や賃貸借に関する問題は、テキストをよく読んで理解したあと、問題集とテキストを繰り返すことが重要です。

建物構造や設備は、文章だけでなくビジュアルで覚えることがおすすめ

建物の構造や設備については、文章を読んでもイマイチ理解できないことが多いです。そこでおすすめなのがイラスト、写真や映像のビジュアル学習です。

テキストにイラストや写真が載っていることもありますが、ページ数の問題からすべてを網羅することは困難です。テキスト以外にGoogleの画像検索YouTubeを活用するとわかりやすいのでおすすめです。検索で知りたい構造や設備を入れると画像や映像で解説が見つかります。

例えば、「免震構造」「制振構造」「改質アスファルトルーフィングシート 防水」などです。

設備や建物構造についての勉強方法の詳細は、以下の記事で解説しています。
»【勉強方法・対策】賃貸不動産経営管理士試験の建物構造・建物設備問題について

模擬試験について

独学で勉強していると客観的な自分の実力がわからず、合格できるだけの実力がついているのか不安になることがあります。そんなときは、模擬試験を受験することをおすすめします。

模擬試験を受験することで、試験結果データで客観的な自己分析と試験の場慣れをすることができます。

おすすめの模擬試験を2社紹介します。会場受験だけでなく、自宅での受験も可能です。

2023年度の情報は2023年8月以降に更新予定です。

模試

LEC

TAC
価格¥3,080〜5,280¥4,000
受験方法会場受験or自宅受験会場受験or自宅受験
受験会場全国23会場全国19会場
自宅受験の可否可能可能
申込期限(会場受験)受験会場によります。2021年11月7日(日)会場受付
自宅受験の教材発送日2021年10月21日(木)2021年10月20日(水)
受験日(会場受験)2021年10月31日(日)
2021年11月3日(水)
2021年11月6日(土)
2021年11月7日(日)
2021年11月7日(日)
受験日(自宅受験締切日)2021年11月9日(火)LECへの答案必着2021年11月5日(金)TACへの答案必着
試験結果2021年11月11日(木)2021年11月12日(金)
公式サイト詳細を見る詳細を見る

模擬試験のメリットや詳細については、以下の記事で解説しています。
»【全国公開模試】賃貸不動産経営管理士のおすすめ模擬試験

受験後は自己採点と合格予想点を確認しよう

賃貸不動産経営管理士の試験当日の夜には、各社資格予備校から解答速報と合格予想点数の公表があります。自己採点をして、合否の目安を確認して合格発表日を迎えましょう。

自己採点時には、予備校によって割れ問題(公表の正解選択肢が異なること)が発生していないか注意するようにします。割れ問題によって自己採点の点数に下ブレ、上ブレが発生するからです。

解答速報・合格予想点数は以下の記事で紹介しています。
»【2022年度・合格ライン】賃貸不動産経営管理士の合格予想点数まとめ一覧、解答速報

合格後は登録をしよう

賃貸不動産経営管理士として活動をするためには、賃貸不動産経営管理士の登録が必要です。また、業務管理者としての登録は、賃貸不動産経営管理士の登録とは別の制度ですので、わけて解説をします。

賃貸不動産経営管理士としての登録

賃貸不動産経営管理士試験に合格後は、まずは賃貸不動産経営管理士の登録をします。登録をするには以下の要件が必要となります。

賃貸不動産経営管理士の登録要件(2021年度試験以降の合格者)
・賃貸不動産経営管理士協議会が認める賃貸不動産関連業務に2年以上従事している又は従事していた者

※実務経験がない場合、実務講習を修了することで実務経験がある者とみなされます。

試験に合格後、たとえ登録はしなくても合格者としては有効なため、数年後に登録をすることもできます。なお、上記登録については、2021年以降の賃貸不動産経営管理士試験合格者の場合です。2020年以前に合格している人は、取扱が異なるため、注意が必要です。

業務管理者としての登録

業務管理者については、賃貸管理会社で働く人が関係します。つまり、賃貸管理会社で働いていない人は、業務管理者の登録はできません。

一定規模の賃貸管理会社(管理戸数200戸以上)は、国土交通省に賃貸住宅管理業者として登録が必要となり、業務管理者を事務所ごとに置くことが必要です。

この業務管理者になるための要件が以下となります。

業務管理者の登録要件(1か2のどちらかに該当する者)
1、賃貸不動産経営管理士の登録者(2021年試験以降の合格者)
2、宅地建物取引士+10時間の指定講習+管理業務の実務経験2年以上(※)

※実務経験がない場合、実務講習を修了することで実務経験がある者とみなされます。

登録要件2の宅建士での業務管理者登録については、暫定的な措置なため、将来的には賃貸不動産経営管理士に一本化される見通しです。

業務管理者について、詳細は以下の記事で解説しています。
»宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士が業務管理者となるための要件

取得までの費用と維持費

賃貸不動産系管理士試験の合格にかかる費用は、最安で19,000円です。また、維持費は、15,000円/10年となります。

独学、資格スクールを利用したとき、5問免除講習修了したときの費用の目安は以下です。試験に合格して登録後、1回目の更新(5年後)をするまでの費用です。つまり取得費用から10年間までの維持費ということになります。

独学で最安独学で免除講習利用資格スクール利用
テキスト・問題集5,000円5,000円+4,054円
資格スクール利用70,000円
5問免除講習代18,150円
受験料13,200円13,200円13,200円
賃貸不動産経営管理士登録料6,600円6,600円6,600円
登録更新料(5年毎)8,000円8,000円8,000円
合計32,800円55,004円97,800円

費用と維持費について、詳細は以下の記事で解説しています。
»賃貸不動産経営管理士を独学で取得するときの費用と維持費について

賃貸不動産経営管理士と相性の良い国家資格

賃貸不動産経営管理士と相性の良い国家資格
・宅地建物取引士
・管理業務主任者
・ファイナンシャルプランニング技能士
・日商簿記

賃貸不動産経営管理士は、アパート・マンション・テナントといった建物不動産の賃貸管理が主な業務です。

とはいえ、賃貸管理と一言で言っても業務に関連する様々な知識が求められます。売買に関する知識、分譲マンションに関する知識、保険、金融、相続について、税制度、建築や建物構造・設備などなど、求められる知識は膨大です。

そこで、賃貸不動産経営管理士に合格後におすすめする賃貸不動産経営管理士と相性の良い資格を紹介します。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸等の仲介についての資格です。宅建士がいないと宅地建物取引業ができないため、宅建業をする会社では必須の資格です。

賃貸不動産の管理をしている会社では、賃貸不動産の仲介をしている場合が多いため、賃貸不動産経営管理士と宅地建物取引士は非常におすすめです。売買仲介の知識を身につけることは賃貸管理でも役に立ちます。

宅地建物取引士試験については、以下の記事で解説しています。
»【合格率・難易度・勉強時間】宅地建物取引士試験について【他不動産3資格との比較】

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理業者(分譲マンションを管理)に必要な資格です。分譲マンションの管理運営、簿記、区分所有法、建物構造、設備についての知識を身につけられます。

マンションの管理の適正化の推進に関する法律(第56条)によって、マンション管理業者の事務所ごとに管理している規模に応じて管理業務主任者が必要となります。

賃貸管理とは関係ないと思われるかもしれませんが、賃貸管理では区分所有建物を扱うことがあります。例えば、分譲マンションの一室を賃貸管理する場合があります。分譲マンションに関する知識は、賃貸管理でも必要となるケースはあります。

また、建物構造や設備関係については、賃貸不動産経営管理士試験と同等以上の問題が出題されるため、賃貸不動産経営管理士試験で学んだ内容をより深く勉強することもできます。

管理業務主任者試験については、以下の記事で解説しています。
»【合格率・難易度・勉強時間】管理業務主任者試験について【他不動産3資格との比較】

ファイナンシャルプランニング技能士

ファイナンシャルプランニング技能士は、国家技能検定で3級から1級まであります。一般的にファイナンシャルプランナーと言われていますが、資格自体の正式名称はファイナンシャルプランニング技能士です。

試験範囲は、不動産分野以外に、保険、金融、社会保険制度、税制、相続に関する幅広い分野が出題されます。賃貸管理業務は、建物所有者との間で税制度、相続対策、事業承継といった業務が関わってくるため、ファイナンシャルプランニング技能士の知識が役に立ちます。

ファイナンシャルプランニング技能士試験は、3級〜1級まであります。まずは3級から始めて、2級以上を目指しても良いですし、最初から2級や1級に挑戦することも可能です。(2級以上は、受験要件があります)

ファイナンシャルプランニング技能士試験については、以下の記事で解説しています。
»【難易度・合格率・勉強時間】FP技能士3級試験について【きんざい・日本FP協会】

日商簿記検定

日商簿記検定は、個人事業主や企業の会計に関する検定試験です。

簿記の知識は不動産業に限らず、企業で働く際にあった方が良い知識ですのでおすすめです。

簿記は3級・2級・1級とありますが、1級は難易度が高く、単に不動産業界の会計部門で働くのでなければ、3級か2級がおすすめです。

簿記は、賃貸不動産経営管理士に限らずあらゆる資格取得と相性が良いです。

不動産業界で働く、転職を考えている人には以下の記事がおすすめです。
»不動産会社に就職・転職するときに有利なおすすめ資格16選

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