【2021年・移行講習】賃貸不動産経営管理士の国家資格化に必要な講習

賃貸不動産経営管理士がいつ国家資格化されるのかについて、賃貸不動産経営管理士登録している人の移行講習が必要なことについて記事を書いていきます。

2021年4月22日に現行の賃貸不動産経営管理士登録者の移行講習について、発表と申し込みがはじまりました!
結論、賃貸不動産経営管理士は、2021年4月に政省令で制定され、2021年6月に国家資格となります。そして、現行の賃貸不動産経営管理士の登録をしている人については、2021年5月〜2022年6月(みなし期間あり)に移行講習が行われ、移行講習を修了することにより、国家資格化後の有資格者と同じ扱いとなります。

筆者も移行講習を修了しました。申込から修了まで4ステップで可能です。効果測定の感想など記事内で解説をしていますので、ぜひご覧ください。

【2021年・移行講習】賃貸不動産経営管理士の国家資格化に必要な講習


賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の管理に関する資格です。

当初は、民間資格として誕生しましたが、賃貸不動産を取り巻く環境のなか、賃貸管理について、法整備が求められるようになりました。

具体的には、2021年6月以降、管理戸数200戸以上の賃貸管理会社は国土交通省に登録をしなければならず、業務管理者とよばれる資格者を事務所におかなければならなくなります。

この業務管理者となるための要件に現状、3つのパターンがあります。

1、2020年以前の賃貸不動産経営管理士登録者(※1)+2時間程度の移行講習修了者
2、宅地建物取引士+管理業務経験2年以上(※2)+10時間程度の指定講習
3、2021年以降実施の新制度の登録試験+管理業務経験2年以上(※2)

※1 登録に必要な実務経験は、指定の実務講習で代替可能
※2 実務経験は、指定の実務講習で代替可能

これまで、2020年以前に実施された賃貸不動産経営管理士試験合格者(旧管理士試験合格者)は、登録要件が宅建士or実務経験2年以上でした。

今回、旧管理士試験合格者に対して、実務経験2年に代わる実務講習の実施が決定しました。旧管理士に登録後、移行措置期間中に移行講習を修了することにより、国家資格化できるようになります。

現状の賃貸不動産経営管理士の登録者+2時間程度の移行講習修了者


現状の賃貸不動産経営管理士が国家資格へ移行できる根拠は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」と下記の「国土交通省令」の規定によります。(赤文字は筆者により色を変更)

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

(業務管理者の選任)

第12条
4 業務管理者は、第6条第1項第1号から第七号までのいずれにも該当しない者で、賃貸住宅管理業者の営業所又は事務所における業務に関し第1項に規定する事務を行うのに必要な知識及び能力を有する者として賃貸住宅管理業に関する一定の実務の経験その他の国土交通省令で定める要件を備えるものでなければならない。

e-GOV法令検索より

国土交通省告示第378号

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和3年国土交通省令第34号)附則第2条の賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)第12条第4項の知識及び能力に関する要件を次のとおり定める。

令和3年4月21日 国土交通大臣赤羽一嘉

一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会が実施する賃貸不動産経営管理士試験で令和2年11月15日までに実施されたものに合格した者で、令和4年6月15日までに一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会により賃貸不動産経営管理士として登録を受けた者であること

国土交通省HPより



現状の賃貸不動産経営管理士の登録は下記の講習を修了することで、業務管理者の要件を満たします。

学習方法
インターネット回線を使用したeラーニング講習
学習内容
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に関する知識「前編」及び「後編」
実施期間
令和3年5月7日(金)~令和4年6月(経過措置期間満了)まで(予定)
申込期間
令和3年4月22日(木)~講習終了日の2週間前まで(予定)
受講時間
実施期間内は24時間いつでも受講できます。(メンテナンス時間を除く。)
受 講 料
7,700円(税込)※テキスト代・効果測定受験料・送料含む
受講要件
令和2年度までに賃貸不動産経営管理士試験に合格し、令和4年6月(経過措置期間満了)までに登録を受けた賃貸不動産経営管理士
環境要件
パソコン及びインターネット通信環境対応ブラウザ:Google Chrome Microsoft Edge
テキスト
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律に関する知識
修了要件
各単元の効果測定において7割以上の正答

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会HPより


移行講習の申込は、コチラからできます。

2021年以降実施の新制度の登録試験+管理業務経験2年以上※


新制度の登録試験こそ、2021年度以降実施の賃貸不動産経営管理士試験となる予定です。2021年6月以降に決定しますが、新制度の登録試験は、賃貸不動産経理管理士試験となるでしょう。

実務経験2年以上については、実務経験に代わる講習を修了することでも可能となります。

国家資格とは?


そもそも、国家資格とはどういう資格を指すのかについては、文部科学省のHPに概要があります。

国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。


国家資格は、法律で設けられている規制の種類により、次のように分類できる。

A)業務独占業務
B)名称独占資格
C)設置義務資格
D)技能検定

引用:文部科学省HP


賃貸不動産経営管理士が国家資格になった場合、上記の「C)設置義務資格」に該当します。

正確には、設置が義務付けられる業務管理者になるための資格となります。

賃貸不動産経営管理士の国家資格化にむけて


賃貸不動産経営管理士協議会のHPによると、「当協議会は、賃貸住宅管理業務の適正化と、それに係る借主と貸主の利益保護のため、賃貸不動産経営管理士の国家資格化を目指します。」とあります。

何年も前から、国家資格化へむけて準備をしているようで、2020年度の賃貸不動産経営管理士試験からは、問題数が従来の40問→50問試験時間が90分→120分に拡大されます。

これは、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士といった不動産関連の国家資格にならったことだと思います。

そして、2020年6月12日に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が制定されましたが、この法律の条文には、賃貸不動産経営管理士の国家資格化についての明記はなく、賃貸不動産管理業の登録義務のある事業者が事務所に「業務管理者」を配置することについて定められました。

この業務管理者に賃貸不動産経営管理士等(※宅地建物取引士も該当)は、なることができます。

一定規模以上の賃貸管理業をするには、業務管理者を必置として、業務管理者になるために賃貸不動産経営管理士の資格が必要という構造です。

業務管理者については、記事を貼っておきます。

合わせて読みたい

2020年6月12日に国会で可決成立決された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」によって賃貸住宅管理業者が必置しなければならなくなる業務管理者に関する記事です。業務管理者になるための要件について解説します。結論、業務管理者になるには[…]


賃貸不動産経営管理士はいつ国家資格になる?


業務管理者の要件については、2021年4月に国土交通省令にて制定がされました。

つまり、賃貸不動産経営管理士は、国土交通省の省令にて法体系に組み込まれることにより、国家資格化されたことになります。

賃貸不動産経営管理士の移行講習とは?


現行の賃貸不動産経営管理士を登録している人は、国家資格化に向けて2021年5月〜2022年6月までの1年間に限り移行措置があります。

2時間程度の移行講習を受講することで、新しい業務管理者となるための登録試験に合格+実務経験2年と同等の扱いとなります。

移行措置の期間は1年間となりますが、実際にはみなし期間が前倒しで行われる予定のため、2021年5月7日から賃貸不動産経理管理士の登録者向けの移行講習が行われると思われます。

2021年5月7日〜2022年6月に実施される移行講習を受講し、移行講習を修了したうえで国土交通省の必要な登録をすることにより、業務管理者となる要件を満たすことができるのです。

移行講習は4ステップ

1.申込・支払い
2.受講・テキストの受取
3.講習の受講・効果測定
4.修了証の受取


ステップ1、申込・支払

コチラの業務管理者移行講習ページから申込と受講料の支払(コンビニ払いorクレジットカード払い)ができます。

申込手続きを完了しても、すぐ受講受講できないので注意です。


ステップ2、受講票・テキストの受取


2週間程度で受講票とテキストが届きます。(2021年5月8日時点では、申込殺到により時間が掛かるようです。)

本人受取用の案内が郵送で届くので、配達日時を指定して自宅で受取or指定の郵便局へ直接受取に行く必要があります。本人でないと受け取れないので注意!


ステップ3、講習の受講・効果測定

ステップ1で申込時のマイページから受講用のアクセスキーを入力して、移行講習を受講し効果測定を受けます。

移行講習と効果測定の流れは、以下となります。

・移行講習前編(管理登録制度部分について)
→視聴終了後に効果測定

・移行講習後編(サブリース制度部分について)
→視聴終了後に効果測定

移行講習は、前編・後編に別れており、最後まで視聴すると効果測定のページにアクセスできます。

効果測定は、一問一答の○×形式で10問出題されます。(7問以上の正答が必要)

講習をしっかり受けていれば、基準点の7問は問題なくクリアできます。

もし、6問以下しか正答できなくても再チャレンジできるので安心してください。


ステップ4、修了証の受取

移行講習、効果測定を終えると修了となります。

マイページから修了証がPDFでダウンロードできます。

必ず1枚は印刷して保管するようにとの指示がありますので、従ってください。

推測ですが、業務管理者として国土交通省に登録をする際に必要になると思います。

以上で移行講習は完了です。

まとめ

現行の賃貸不動産経営管理士に登録している人は、必ず、移行講習を受講することをおすすめします。

2時間程度の移行講習を修了することで新制度の国家資格保有者となれます。

移行措置期間は、1年間あります。

賃貸不動産経営管理士は、国土交通省令の制定によって、必要な移行講習を修了することで、国家資格化となります。

今後、賃貸不動産経営管理士試験は、新制度における登録試験という位置付けによる国家資格となります。

賃貸不動産経営管理士の資格は、難化傾向にあります。

これからの人も賃貸不動産経営管理士の取得を目指してはいかがでしょうか。

賃貸不動産経営管理士に合格するためのロードマップは以下の記事で解説しています。
»【完全版】賃貸不動産経営管理士試験に合格するためのロードマップを徹底解説

最新情報をチェックしよう!