
お得に取得できる制度について知りたい
終身雇用制度は崩壊したと言われ、個人のスキルが重視されています。
スキルを身に付けるのに資格や免許を取得しようと考えている人が多いです。とはいえ、資格や免許の取得には費用がかかります。
当記事では、教育訓練給付制度という資格や免許をお得に取得できる方法を解説します。簡単にいうと、資格・免許取得に掛かる費用をハローワーク経由でキャッシュバックしてくれる制度です。
教育訓練給付制度とは?
教育訓練給付制度は、「働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給される」制度です。(厚生労働省HPより)
教育訓練給付制度を利用するときは、最寄りのハローワークを通じて、申請・受給手続きを行います。
教育訓練給付制度の主体・根拠となる法律
【講座を実施する事業者側】
教育訓練給付制度の資格、免許取得の講座になるためには、講座を実施する教育訓練機関が厚生労働省へ申請を行い、厚生労働大臣の指定を受けることが必要です。
教育訓練給付制度の根拠となる法律、省令は「雇用保険法」「厚生労働省令」です。
雇用保険法
e-GOV法令検索より
第60条の2 教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が3年以上であるときに、支給する。
雇用保険法施行規則
e-GOV法令検索より
第六節の二 教育訓練給付
(法第六十条の二第一項の厚生労働大臣の指定の通知等)
第百一条の二の二 厚生労働大臣は、法第六十条の二第一項の規定による指定をしたときは、次に掲げる事項を記載した講座指定通知書を、当該教育訓練を行う指定教育訓練実施者(法第十条の四第二項に規定する指定教育訓練実施者をいう。以下同じ。)に通知するものとする。
二 教育訓練講座名
三 第百一条の二の七第一号に規定する一般教育訓練、同条第一号の二に規定する特定一般教育訓練又は同条第二号に規定する専門実践教育訓練のいずれであるかの別
四 訓練の実施方法
五 訓練期間
六 入学料及び受講料(第百一条の二の七第一号に規定する一般教育訓練の期間が一年を超えるときは、当該一年を超える部分に係る受講料を除く。第百一条の二の六において同じ。)の額
七 指定番号
八 その他必要と認められる事項
2 厚生労働大臣は、法第六十条の二第一項の規定による指定を受けている教育訓練について、前項各号に掲げる事項を記載した帳簿を作成し、当該帳簿を公共職業安定所において閲覧に供するものとする。
教育訓練給付制度は3種類ある
2.特定一般教育給付金
3.専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金
教育訓練給付制度は、3種類あり、支給対象者の要件や給付額の上限が異なります。
単純なイメージとしては、対象講座の専門性や掛かる費用が[一般教育訓練給付制度対象講座]→[特定一般教育訓練給付制度対象講座]→[専門実践教育訓練給付制度対象講座]という順に高度、高額になります。
一般教育訓練給付金
一般教育訓練給付制度は、働く人が主体的にスキルアップをする対象講座を受講する場合に、費用の一部を支給することで、雇用の安定や離職した場合の再就職促進を目的とする制度です。3種類の中でも幅広い人が対象となる制度です。
主なポイント
・離職した人も対象となる
・支払金額の20%が支給(上限10 万円)
【支給となる対象者について】
一般教育訓練給付金が支給される対象者は、以下となります。
・雇用保険の被保険者
雇用保険の被保険者を簡単に言うと、会社に勤務していて給与明細に雇用保険料が天引きされている人です。一般教育訓練給付金が受給できる講座を受ける時点で、雇用保険に3年間加入していることが必要です。(※初めての制度を利用する人は1年間)
・離職者(雇用保険に加入していた人)
雇用保険の被保険者が退職した場合に該当します。一般教育訓練給付金が受給できる講座を受ける時点で退職日の翌日から1年以内で雇用保険に3年間加入していたことが必要です。(※初めて制度を利用する人は1年間)
※注意点※
教育訓練給付金は、複数の受給対象講座を連続受講して支給を受けることができません。
支給を受けた後、3年間を経過していることが必要です。
【支給金額について】
一般教育訓練給付金は、資格や免許の取得に掛かった費用の20%(上限10万円)となります。
ただし、4,000円を超えない場合は支給されません。つまり、資格や免許取得の講座受講に掛かった費用が20,000円以下の場合には支給されません。
特定一般教育給付金
特定一般教育訓練給付制度は、再就職や早期キャリア形成のために必要となる教育訓練を受講する場合の費用について一部を支給することで、雇用の安定と再就職促進を目的とする制度です。
主なポイント
・離職した人も対象となる
・支払金額の40%が支給(上限20 万円)
【支給となる対象者について】
特定一般教育訓練給付金が支給される対象者は、以下となります。
・雇用保険の被保険者
雇用保険の被保険者を簡単に言うと、会社に勤務していて給与明細に雇用保険料が天引きされている人です。特定教育訓練給付金が受給できる講座を受ける時点で、雇用保険に3年間加入していることが必要です。(※初めての制度を利用する人は1年間)
・離職者(雇用保険に加入していた人)
雇用保険の被保険者が退職した場合に該当します。特定教育訓練給付金が受給できる講座を受ける時点で退職日の翌日から1年以内で雇用保険に3年間加入していたことが必要です。(※初めて制度を利用する人は1年間)
※注意点※
教育訓練給付金は、複数の受給対象講座を連続受講して支給を受けることができません。
支給を受けた後、3年間を経過していることが必要です。
【支給金額について】
特定教育訓練給付金は、資格や免許の取得に掛かった費用の40%(上限40万円)となります。
ただし、4,000円を超えない場合は支給されません。
専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金
専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金は、中長期キャリア形成のために必要となる教育訓練を受講する場合の費用について一部を支給することで、雇用の安定と再就職促進を目的とする制度です。
主なポイント
・離職した人も対象となる
・受講中は支払金額の50%が支給(上限120 万円)
・修了後は支払い金額の70%が支給(上限168万円)
【支給となる対象者について】
専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金が支給される対象者は、以下となります。
・雇用保険の被保険者
専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金が受給できる講座を受ける時点で、雇用保険に3年間加入していることが必要です。(※初めての制度を利用する人は2年間)
・離職者(雇用保険に加入していた人)
雇用保険の被保険者が退職した場合に該当します。専門実践教育訓練給付金・教育訓練支援給付金が受給できる講座を受ける時点で退職日の翌日から1年以内で雇用保険に3年間加入していたことが必要です。(※初めて制度を利用する人は2年間)
※注意点※
教育訓練給付金は、複数の受給対象講座を連続受講して支給を受けることができません。
支給を受けた後、3年間を経過していることが必要です。
【支給金額について】
専門実践教育訓練給付金は、対象となる講座の受講中と修了後1年以内に雇用(雇用保険の被保険者)となった場合に支給されます。
1、受講中は掛かった費用の50%(4,000円を超える場合で上限120万円)
2、修了後1年以内に雇用された場合、掛かった費用の70%(4,000円を超える場合で上限168万円)
2の支給金額は1で支給された給付金の追加となる差額分となります。
さらに教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金の受給者のうち、要件を満たして失業状態の場合に追加で支給されます。
・雇用保険の基本手当日額80%が支給される
教育訓練給付制度を利用して取得できる資格・免許
・一般教育訓練給付制度
・特定一般教育訓練給付制度
・専門実践教育訓練給付制度
3つの給付金について、制度を利用してできる主な資格や免許記載します。
まとめ
・離職した人も対象
・3種類の教育訓練給付制度
・3年以内に連続して利用はできない
教育訓練給付制度は雇用保険の被保険者が対象となります。ざっくり言うと会社員が対象ということになります。
会社を退職しても一定期間内であれば、教育訓練給付制度を利用できます。
教育訓練給付制度は一度使うと3年以内に再度使うことはできないので注意です。
教育訓練給付制度を利用することでお得に資格を取得できますので、資格取得を目指している人は教育訓練給付制度を利用できないか確認しましょう。
当サイトで扱っている資格で教育訓練給付制度を利用できる資格講座を下記記事で紹介しています。
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