【完全版】宅地建物取引士に合格するためのロードマップを徹底解説

宅建士に合格を目指す人
宅地建物取引士ってどんな資格だろう・・・
試験の概要や勉強方法、合格に必要な情報を知りたい。
独学で合格したいけど、できるかな・・・

宅地建物取引士は、1958年に宅地建物の公正な取引を目的として作られた資格です。近年では、20万人以上が受験する有数の国家資格試験です。

当記事では、宅地建物取引士の合格を目指す初心者がゼロからスタートして、合格するまでをナビゲートします。

よくある疑問

・宅地建物取引士ってどんな資格?
・不動産業界で働くときには必要?
・試験は難しい?合格率や必要な学習時間は?
・独学でも合格可能?資格予備校を利用した方が良い?
・合格までに必要な費用や維持費は?
・宅地建物取引士と相性の良い資格は?

記事の筆者
もーき
【保有資格】
・宅地建物取引士
・管理業務主任者
・マンション管理士
・ファイナンシャルプランニング技能士1級
すべて独学で合格した経験をもとに、宅地建物取引士について解説します。

順に解説しますので、気になるところがある人は目次から飛んでください。

【ステップ1】宅地建物取引士について知ろう

はじめに、宅地建物取引士(宅建士)がどんな資格なのかについて解説します。

資格試験を受験するときは、最初に資格のこと、試験のことについて知ることが重要です。なぜなら、資格の趣旨目的というのは、業務独占資格(宅地建物取引士が該当)において、試験で問われる部分でもあるからです。

資格について知ることは、試験対策につながります。

宅地建物取引士は宅地建物取引業者に必要な資格

宅地建物取引業(宅建業)とは?
宅地建物取引業法(宅建業法)という法律により規定されている以下の業務を行うこと

・宅地、建物の売買もしくは交換
・宅地、建物の売買、交換もしくは賃借の代理もしくは媒介

宅地建物取引業=不動産業ではありません。とはいえ、不動産屋と聞くと、分譲マンション、戸建て、土地を売買している会社やアパート、マンションを賃貸で借りるための仲介をしている会社をイメージするかと思います。これらの会社の業務は、宅地建物取引業に該当します。今後、学習を進めていくと詳しくなれますので、今のところはこの程度の認識で十分です。

宅地建物取引士は、宅地建物取引業を営んでいる会社に必要な資格です。

宅地建物取引業者として、業務をするには宅地建物取引士が必要です。宅地建物取引士だけができる業務があるからです。このように、有資格者が必要な資格を業務独占資格と呼びます。

宅地建物取引士は、業務独占資格だからこそ重要であり、宅建業者から必要とされる資格です。

宅地建物取引業者には専任の宅地建物取引士が必要
・事務所毎に成年で専任の宅地建物取引士が必要
・成年で専任の宅地建物取引士は、従業員数の5分の1以上が必要

専任とは、もっぱらその事務所に従事している人です。宅地建物取引業者では、事務所毎に成年で専任の宅地建物取引士が必要です。国土交通省や都道府県に登録をすることで、専任の宅建士となれます。

さらに事務所の従業員数の5分の1以上が成年で専任の宅建士が必要となります。例えば、従業員数が7人のとき、2人以上は成年で専任の宅建士であることが必要です。従業員数が12人のときには、成年で専任の宅建士が3人以上必要となります。

もーき
宅地建物取引業をするには、成年で専任の宅地建物取引士の設置義務があります。
必要な人数が足りないと宅建業ができなくなります。
宅地建物取引士の独占業務がある
宅地建物取引士だけができる業務は、次の3つです。
・重要事項の説明
・重要事項説明書への記名
・契約書への記名

宅地建物取引士だけができる業務は、上記の3つです。

先ほど説明した成年で専任の宅建士は、事務所に設置義務のある宅建士に関する説明のため、成年で専任の宅建士でなくても、宅建士であればできる業務です。

重要事項説明とは、契約締結前に取引しようとしている契約内容について説明をすることです。このとき説明する書類を重要事項説明書(契約書ではありません)と呼びます。

重要事項説明と重要事項説明書への記名は宅建士の独占業務です。

宅建士の業務として、最も重要なのが重要事項説明です。

取引の相手に対して、契約締結前に重要な取引の内容について説明をするのです。契約時のトラブル防止のために必要な説明のため、2時間以上かけて説明するような場合もざらにあります。

契約書へ宅地建物取引士の記名をする。

契約書(37条書面と呼ばれます)に宅地建物取引士の記名押印が必要であり、これも宅建士だけができる業務です。

ちなみに契約書が37条書面と呼ばれるのは、宅地建物取引業法37条に規定があるからです。

以上の3点は、宅建士だけができる業務のため、宅建士ではない人が重要事項説明をしたり、重要事項説明自体をしなかったりすれば、宅建業法違反となります。違反には罰則規定が存在するほど、重要な業務であるといえます。

チェックポイント

2022年5月18日に施行された改正宅地建物取引業法により、重要事項説明書(同法35条)と契約書(同法37条)の押印は不要になりました。

宅地建物取引士には資格手当が出る

・月に5,000円〜30,000円程度

宅建士は、宅建業者にとって必須の資格です。そのため、宅建士の有資格者には、ほぼすべての会社で資格手当が出ます。金額の目安は5,000円〜30,000円です。

求人サイトを見てみると、月に20,000〜30,000円が資格手当として規定されている会社が多いです。

もーき
宅建士を取得すれば年収30万円以上UPするのは大きいです。

試験の概要

1、試験日程:10月3週目の日曜日(年に1回)
 午後1〜3時までの2時間(5問免除者は午後1時10分〜午後3時)
 ※2020年度、2021年度は10月・12月の2回実施
2、合格発表:12月上旬
3、試験地:すべての都道府県
4、受験要件:だれでも受験可能
5、受験料:7,000円
6、出題形式:4肢択一マークシート

宅地建物取引士の試験日程は、毎年10月3週目の日曜日に実施(試験時間は2時間)されます。ただし、2020年、2021年度は特例として12月度にも実施されています。同一年度に受験できるのはどちらか一方であり、申込人数によって12月実施試験に振り分けられることになります。

試験地は、全国の都道府県で実施されます。

受験要件はありません。宅地建物取引士は、年齢、学歴など関係なく誰でも受験できます。

受験料は、7,000円(非課税)です。資格試験の受験料は、消費税の課税される資格と非課税の資格があります。ざっくり国家資格は、非課税となります。

受験料と消費税のについては、以下の記事で解説をしています。
»【課税・非課税】資格試験の受験料と消費税の関係【国家資格・民間資格】

7、出題範囲

(試験の内容)
第八条 前条の基準によつて試験すべき事項は、おおむね次のとおりである。
一 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
二 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
三 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
四 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
五 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
六 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
七 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。


宅地建物取引業法施工規則第8条より

宅地建物取引業法施工規則の第8条に試験の出題内容が規定されています。この規定を基に宅建士の試験は以下の出題分野と出題数となります。

出題分野関連する法律試験での問題番号出題数(全50問)
権利関係民法問1〜1414問
法令上の制限都市計画法
建築基準法
農地法 など
問15〜228問
宅建業法宅地建物取引業法問26〜4520問
税・その他印紙税法
地方税法
不当景表法 など
問23〜25
問46〜50
8問

8、合格率:17.9%(2021年10月実施試験)

年度受験者数合格者数合格率合格率
(5問免除あり)
合格点
2019年220,79737,48117.0%22.9%35
2020年
(10月実施)
168,98929,72817.6%19.6%38
2020年
(12月実施)
35,2584,60913.1%10.7%36
2021年
(10月実施)
209,74937,57917.9%21.3%34
2021年
(12月実施)
24,965人3,892人15.6%無し34

宅地建物取引士試験は、相対評価の試験です。何点以上は合格と決められているのではなく、合格率15〜20%の間に収まるように合格点が定められます。

試験の年度によって問題の難易度が変わることにより、合格点も上下することになります。

宅建士試験の難易度については以下の記事で解説しています。
»【合格率・難易度・勉強時間】宅地建物取引士試験について【他不動産3資格との比較】

宅地建物取引業者で働いている人は5点免除の制度がある

宅地建物取引士試験では、5点免除という制度があります。この制度を利用すると、問題の46問目〜50問目までの5問が免除となるのです。簡単にいうと、5問分が満点扱いとなります。

ただし、制度を利用するには以下の条件があります。

5点免除制度を利用するために必要なこと
・宅地建物取引業者で働いている人が申込できる登録講習を受講して、最後に行われる修了試験に合格する

5点免除制度を利用するためには、登録講習と呼ばれる講習を受講して、修了試験に合格する必要があります。

講習は毎年、春から夏頃にかけて実施されています。ただし、講習に申込できるのは、宅地建物取引業者に就業している人です。

平たく言うと、不動産屋で働いている人が5点免除制度を利用でき、不動産屋で働いていない人は、通常の試験を受けることになります。

筆者
宅建業者で働いている人だけ、5点免除制度を利用できるお得な制度です。
5点免除があると合格へグッと近づきますので、講習を受講できる人は受けることをおすすめします。

登録講習を実施している業者はたくさんあり、受講料に幅があります。受講を検討している人は、前もって調べてから申込をする方が良いです。

登録講習については、以下の記事で詳細を解説しています。
»【比較・最安】5問免除講習(宅地建物取引士)の費用と開催地の一覧

他の不動産資格との比較

目次の最後で解説している宅建士と相性の良い国家資格から、不動産関連の国家資格との難易度について比較します。

資格名業種合格率学習時間の目安試験時期試験実施団体
宅地建物取引士売買・仲介17.9%
(2021年)
300時間10月3週目の
日曜日
一般社団法人不動産適正取引推進機構
賃貸不動産経営管理士管理
賃貸物件
31.5%
(2021年)
150時間11月3週目の
日曜日
一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会
管理業務主任者管理
分譲マンション
23.9%
(2020年)
250時間12月1週目の
日曜日
一般社団法人マンション管理業協会
マンション管理士コンサル
分譲マンション
8.6%
(2020年)
600時間11月最終週の
日曜日
公益財団法人マンション管理センター

学習時間の目安は、初学者が合格を目指すときの目安です。

上記4つは、不動産業界で働く人が合格を目指す主な国家資格です。まずは、自分が直接関わる業務についての資格を取得、その後は隣接する資格を取得していくことが多いです。例えば、分譲マンションを売買している場合、宅地建物取引士を取得後に管理業務主任者を目指すようなケースです。

ちなみに宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の3つに合格することをトリプルクラウンと呼ばれたりします。トリプルクラウンを最短ルートで合格する方法は、以下の記事で解説しています。
»【トリプルクラウン】不動産三冠資格を取得する最短ルートの合格方法

賃貸不動産経営管理士は、2021年から国家資格化されました。今後、資格としての価値が向上することになるので、宅建士受験後に勉強を始めて合格を目指すことをおすすめです。
»【完全版】賃貸不動産経営管理士試験に合格するためのロードマップを徹底解説

【ステップ2】宅地建物取引士の学習をしよう

宅地建物取引士試験に合格するために必要な学習を解説します。

資格試験自体の学習が初めての人は、合格できるか不安だと思います。宅建士の学習ポイントや必要な学習時間、学習スケジュールについて解説をします。

独学or資格予備校|資格予備校は合格への最短ルート

宅地建物取引士試験の学習をするとき、独学or資格予備校で大きくわかれます。

以下に独学・資格予備校のメリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
独学・費用が安い
・自分で学習計画を立てられる
・理解するのに時間がかかる
・自己管理、学習計画が難しい
資格予備校・初学者でもわかりやすい講義
・効率よく最短での合格が可能
・費用が高い
・通学だと予定が拘束される

独学のメリットは、費用を安く抑えられることです。受験料、登録料といった必要な費用のほかは、市販テキスト、問題集を購入するだけです。

デメリットは、内容を理解するのに時間がかかったり、学習計画などの自己管理が難しいことです。初学者や資格試験の受験に慣れていない人は、悩むかもしれません。

独学におすすめするテキスト、問題集は以下の記事で紹介しています。
»【2022年度・独学】宅地建物取引士試験のおすすめテキスト・問題集20選

資格予備校のメリットは、わかりやすい講義で効率よく最短距離で合格へ導いてくれることです。特に会社員で資格取得を目指している人、初めて受験する人におすすめです。

デメリットは、独学よりも費用が掛かることですが、合格までの時間を短縮できる価値と考えると結果的にお徳だといえます。予備校へ通学だと講義日程が決まっているため、自分の都合に合わないことがあります。柔軟に自分の予定にあわせて受講したいという人は、通信講座がおすすめです。

通信講座の場合、いつでもどこでも受講ができます。

自宅で講義を受ける、図書館の自習室や電車の中で受講することもできます。

また、スマホでの受講に特化した通信講座というのもあります。通勤、通学や毎日のスキマ時間を有効活用して合格を目指そうという人には特におすすめです。

宅建士試験のおすすめ通信講座は、以下の記事で紹介しています。
»【2022年度・通信講座】宅地建物取引士のおすすめオンライン講座厳選3選
»【合格率65.9%】フォーサイトの宅地建物取引士通信講座【口コミ・評判】
»【合格率43.3%】アガルートの宅地建物取引士通信講座【口コミ・評判】
»【口コミ・評判】スタディングの宅地建物取引士通信講座はスマホ特化型!

合格に必要な学習時間から逆算してスケジュールを立てよう

宅建士の合格に必要な学習時間
・300時間

宅地建物取引士の合格に必要な学習時間の目安は300時間です。

初学者が合格を目指したときの目安のため、既習分野がある人は学習時間を短縮できます。例えば、管理業務主任者に合格済みの人であれば、民法や区分所有法の分野、ファイナンシャルプランニング技能士であれば、法令上の制限や相続の分野の学習時間を短縮できます。

参考として、不動産資格の学習時間の目安は以下となります。

資格名関連業種合格率学習時間の目安
管理業務主任者分譲マンションの管理23.9%
(2020年)
250時間
マンション管理士分譲マンション
管理組合へのコンサル
8.6%
(2020年)
600時間
賃貸不動産経営管理士賃貸物件の管理31.5%
(2021年)
150時間

宅建士試験の学習スケジュールは、6ヶ月を目安に計画しましょう。

学習時間の目安300時間から逆算したモデルスケジュールは以下です。

学習スケジュール(毎日均等ケース)
学習期間:180日間(4月中旬〜10月中旬)
学習時間:毎日100分
学習スケジュール(休日併用ケース)
学習期間:180日間(4月中旬〜10月中旬)
学習時間:平日60分 休日(8〜9日)200分

学習時間300時間(18,000分)を6ヶ月(180日)でこなすためには、1日あたり100分となります。

休日を多め学習する場合だと、平日1時間、休日(8〜9日と設定)3時間20分の学習となります。

宅建士合格を専業で目指す人(毎日宅建士の勉強だけしている)は少なく、学生の人や働きながら宅建士の合格を目指す人がほとんどです。そのため、無理せず消化できるスケジュールを作るようにしましょう。睡眠時間を削るなど本業に支障が出るようになっては本末転倒です。

毎日100分の学習を6ヶ月継続することで、合格学習時間の目安となる300時間に届くことになります。もし、3ヶ月で合格を目指そうとなると、1日あたりの学習時間が200分必要(毎日3時間以上の学習が必要)となります。

これまで受験勉強や資格試験で学習することに慣れていない人は、大変な学習量だと思うでしょう。宅建士は、法律系の入門資格と言われますが、簡単な試験ではありません。合格を目指すためには、それなりの覚悟と学習時間を作ることが必要となります。

勉強に集中できないという人には以下の記事を参考にしてください。
»勉強におすすめのノイズキャンセリングヘッドホン・イヤホン4選【無音・無線】

学習のポイントは継続と繰り返し

  • インプット・・・テキスト等で知識を入れる
  • アウトプット・・・問題集等で知識を出す

宅建士の学習は、テキストを読んでインプットと問題を解いてアウトプットを継続して、交互に何度も繰り返すことで合格に必要な知識を定着させることができます。

どちらか一方だけでは、ダメです。特に過去問題集は、何度も繰り返し、完璧に解ける問題と解けない問題に仕分けして学習を進め、最終的に問題集を5周はするようにします。

学習の進め方

1、テキストをパート毎に精読

2、テキスト該当箇所の問題集を解く(1周目)

3、解けない問題は解説、テキストで復習

【3日〜5日後】

4、2の箇所の問題集を解く(2周目)

5、解けない問題は解説、テキストで復習

【更に7日後】

6、4の箇所の問題集を解く(3周目)

7、解けない問題は解説、テキストで復習

8、完璧に解ける問題は、4回目以降は解かない

【更に7日後】

9、6の箇所の問題集を解く(4周目)

10、解けない問題は解説、テキストで復習

【更に7日後】

11、9の箇所の問題集を解く(5周目)

12、解けない問題は解説、テキストで復習

13、この時点で完璧に解けない問題を洗い出す

14、13で洗い出した問題を再度学習

問題集を上記の方法で繰り返し学習します。テキストのパート毎に分けるため、複数のパートを同時進行となります。ポイントは、毎日継続して繰り返すことです。

また、完璧に解ける問題は試験前に総まとめで確認することにして、問題集を4周目、5周目とする際には解くのはやめます。時間効率が悪くなるからです。

解けない問題だけを繰り返すことで周回速度は早くなっていきます。

相関図、グラフ、イラストや写真などビジュアル面での学習を心がける

宅建士の学習をしていると文字だけ読んでいてもよくわからないという場面が度々出てきます。そのようなときには、登場人物の相関図を必ず書くようにして、問題を解きます。また、法令の制限の用途地域に関する問題などは、実際の地域毎のイラストや写真とあわせて学習をするとイメージがついて知識の定着が進みます。

模擬試験で客観的なデータと試験の場慣れができる

独学だと客観的な自分の実力がわからず、合格できる実力が身についているのか不安になります。そこで模擬試験を受験することをおすすめします。

模擬試験を受験することで、試験結果のデータで客観的な自己分析と試験の場慣れができます。

おすすめの宅建士模擬試験については、以下の記事で紹介しています。
»【2022年・全国公開模試】宅地建物取引士のおすすめ模擬試験(無料模試あり)

本番の試験は、第1問目から解かなくて良い

試験開始の合図と同時に、まずは乱丁、落丁がないかを確認します。その後、多くの人は第1問目から解き始めるかと思います。それでも構いませんが、必ずしも第1問目から解く必要はありません。

出題数の多い分野から始めても良いのです。例えば、宅建業法→民法→法令上の制限→税・その他という順で解くという方法です。

もーき
問題文を読んでじっくり考える集中力が必要な問題から解くことをおすすめ。

おすすめは、集中力が必要な問題から解いていく方法です。宅建士の試験は2時間の長丁場です。2時間ずっと集中して解き続けることは難しいです。一番集中力を高めて解くことができるのは、試験開始直後だといえます。

であれば、問題文を読んでじっくり考えないと間違えてしまいやすい問題から解く方が合理的であり、もっとも高得点を狙いやすいのです。集中力が持続できず、ケアレスミスをしてしまったという事態は避けられるように万全を尽くします。

逆に問題によっては、単純に知っているか知らないかという問題があります。このような問題を間に挟むことで、問題を解きながら一息つくことができます。集中力の強弱をつけ問題を解くことで、自分の力を最大限発揮できます。

【ステップ3】合格後は登録をしよう

宅建士に合格後は、登録をしましょう。

宅建士に登録、宅建士証を受け取ることで宅建士として活躍することができます。

宅建士登録は実務経験が必要|実務経験のない人は実務講習を受けよう!

宅地建物取引士の登録には、宅地建物取引業者での実務経験が2年以上必要

実務経験がない人は、登録実務講習を受講して修了すればOK!

宅建士に登録するためには、宅地建物取引業者での実務経験が2年以上必要です。実務経験がない人のために登録実務講習が用意されています。

実務講習を受講して、修了することで実務経験にかえることができます。

登録実務講習を選ぶポイント
・価格
・開催地
・開催日
・修了証の受領時期
・合格発表前の申込の可否

講習は、2021年10月時点で18社が実施しています。

実施業者によって価格が異なるため、価格を重視したい人は比較して選ぶようにしましょう。人気の講習は、すぐに締切ってしまうため、受講予定の人は、早めの申込をしましょう。業者によっては、合格発表前に申込ができるところもあります。ただし、自己都合でのキャンセルは講習代の返金が一部、全額返金なしという場合があるので注意です。

そのほか、修了証を最終日に受け取れるところと後日、郵送というところがあります。1日でも早く登録をしたい人は、なるべく早い日程で修了証を即日で発行してもらえる講習を選びましょう。

登録実務講習については、以下の記事で比較表を使って紹介しています。
»【最安価格・18社比較一覧】登録実務講習(宅建士の代替実務経験)のおすすめ業者

宅地建物取引士の登録して宅建士証を手に入れよう

実務経験or実務経験にかわる登録実務講習を修了したら、宅建士に登録をしましょう。登録するために以下の書類が必要です。

  • 登録申請書
  • 誓約書
  • 身分証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 住民票
  • 合格証書のコピー
  • 顔写真
  • 登録資格の書面(実務経験の書類・実務講習の修了書)

宅建士の登録には、多くの公的な書類が必要となります。身分証明書、住民票は近所の区役所、市役所で発行できますが、身分証明書は本籍地のある役所で発行のため、本籍地と現住所の異なる人は注意しましょう。

また、登記されていないことの証明書は、法務局の本庁(ざっくり言うと県庁所在地にある法務局)で取得する必要があります。ただし、郵送でも取得できるので遠方の人は、郵送で取得をおすすめします。

必要書類は、発行者の違いにより申請先が市役所や法務局と別々の場所となります。面倒なうえ発行手数料も必要になりますが、宅建士登録のため書類を揃えましょう。

登録するために必要な費用は?

登録手数料:37,000円
宅地建物取引士証の交付手数料:4,500円

宅建士の登録費用は、宅建士証の交付手数料を含めると41,500円が必要となります。高いと思うかも知れませんが、宅建士として活躍するための必要経費です。宅建業者であれば、資格手当が付くことがほとんどのため、すぐにペイできるでしょう。

宅建士の取得費用と維持費について

宅地建物取引士に合格するまでの最低限の費用は、独学で16,000円、資格予備校を利用で57,000円です。

また、合格後10年間で必要となる維持費は、独学で74,000円、資格予備校を利用で115,000円です。

独学もしくは資格予備校を利用したとき、または5問免除講習や実務講習を受講した場合にわけた目安の比較表は以下となります。

独学バージョン独学
5問免除なし
実務経験なし
独学
5問免除なし
実務経験あり
独学
5問免除あり
実務経験なし
独学
5問免除あり
実務経験あり
テキスト・問題集9,000円9,000円9,000円9,000円
5問免除講習13,000円13,000円
受験料7,000円7,000円7,000円7,000円
合格までの合計16,000円16,000円29,000円29,000円
実務経験講習20,000円20,000円
登録料
(宅建士証含む)
41,500円41,500円41,500円41,500円
初回登録までの合計
(〜5年目まで)
77,500円57,500円90,500円70,500円
更新費用(5年毎)
(宅建士証含む)
16,500円16,500円16,500円16,500円
10年間の合計94,000円74,000円107,000円87,000円

予備校バージョン資格予備校
5問免除なし
実務経験なし
資格予備校
5問免除なし
実務経験あり
資格予備校
5問免除あり
実務経験なし
資格予備校
5問免除あり
実務経験あり
資格予備校費用50,000円50,000円50,000円50,000円
5問免除講習13,000円13,000円
受験料7,000円7,000円7,000円7,000円
合格までの合計57,000円57,000円70,000円70,000円
実務講習20,000円20,000円
登録料
(宅建士証含む)
41,500円41,500円41,500円41,500円
初回登録までの合計
(〜5年目まで)
118,500円98,500円131,500円111,500円
5年毎の更新費用
(宅建士証含む)
16,500円16,500円16,500円16,500円
10年間の合計135,000円115,000円148,000円128,000円

最低限かかる費用は、独学と資格予備校を利用したときで変わります。

宅建士を取得するための費用で大きいのは、登録費用です。宅建士の登録をするために37,000円、さらに宅建士証の交付手数料として4,500円が必要となるため、合格後登録するために41,500円が必要です。

宅建士証の住所は隠すことができる

重要事項説明をするときは、取引の相手方に宅地建物取引士証を提示する必要あり。

宅地建物取引士証の記載内容
・氏名
・生年月日
・住所
・登録番号
・有効期限

宅建士は、重要事項説明のとき、取引の相手方から求められたときには宅建士証を提示する必要があります。

宅建士証には上記の内容が記載されていますが、「住所」というのが問題になります。社会的に個人情報保護が高まるなか、不特定多数の取引の相手方に住所を見せたくないという要請があります。

特に女性は見られたくない人が多いかと思います。

宅建士証の住所をシールで隠しても宅建業法違反とならない

宅建士本人の個人情報保護のため、住所部分に限ってシールを貼って隠すことが認められています。マジックなどで黒塗りにするのはダメです。簡単に剥がせて宅建士証に跡が残らないようにできる方法のみ認められています。

宅建士証の住所を隠すことについては、以下の記事で解説しています。
»【目隠しシール】宅地建物取引士証の住所を隠すこと【個人情報保護】

宅建士と相性の良い国家資格・公的資格

  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士
  • マンション管理士
  • 日商簿記

宅建士は、土地や建物の取引についての資格です。土地や建物の売買には、多様な知識が求められます。そこで、宅建士の合格後におすすめする国家資格を5つ紹介します。

特に、不動産資格である宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士の3つに合格することをトリプルクラウンと呼ばれたりします。
»【トリプルクラウン】不動産三冠資格を取得する最短ルートの合格方法

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理に関する資格です。宅建士が宅建業者にとって必要な資格であるように、管理業務主任者は、分譲マンションを管理する会社に必要な資格です。

宅建士の分野である不動産取引の中には、分譲マンションが含まれます。管理業務主任者の資格を取得することで、分譲マンションの管理やマンションの構造、設備関係の知識をつけることができます。

管理業務主任者試験については、以下の記事で解説しています。
»【完全版】管理業務主任者試験に合格するためのロードマップを徹底解説

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸物件の管理に関する資格です。宅建士で賃貸仲介の部門と非常に相性の良い資格です。賃貸不動産経営管理士試験は、賃貸管理に関する管理業法が制定され、2021年度試験から国家資格となりました。

注目の資格ということもあり、受験者が毎年増えている試験です。難易度的には宅建士より易しい試験ですが、年々難化傾向にある試験ですので、取得を目指すなら早めの受験をおすすめします。

賃貸不動産経営管理士については、以下の記事で解説しています。
»【完全版】賃貸不動産経営管理士試験に合格するためのロードマップを徹底解説

ファイナンシャル・プランニング技能士

ファイナンシャル・プランニング技能士、通称FP(エフピー)と呼ばれたりします。国家技能検定で3級、2級、1級まであります。

試験範囲は、不動産分野のほか、社会保険制度、生命保険、損害保険、金融、税制、相続、事業承継に関する幅広い分野が出題されます。宅建士は、土地や建物の取引の中で、不動産分野以外に保険、税制度、相続対策、事業承継といった分野が関わってくるため、ファイナンシャル・プランニング技能士の知識が役に立ちます。

検定試験で4ヶ月毎に実施されていますので、3級から始めて、2級、1級と目指して行くのも良いですし、最初から2級や1級を受験することもできます。(ただし2級以上は、受験要件があります)

ファイナンシャル・プランニング技能士については、以下の記事で解説しています。
»【完全版】FP3級・FP2級に合格するためのロードマップを徹底解説

マンション管理士

マンション管理士は、管理業務主任者とほぼ同じ試験範囲から出題されます。
資格自体の違いは、管理業務主任者はマンション管理の資格、マンション管理士はマンション管理組合のコンサルティング業務です。

不動産取引において、分譲マンションの売買があります。管理業務主任者と共通しますが、分譲マンションの管理運営やマンション構造、設備等の知識をつけられる管理業務主任者や更なるブラッシュアップを図れるマンション管理士は、宅建士にとってプラスになる資格です。

マンション管理士の難易度は管理業務主任者より難しいですが、管理業務主任者試験に合格後であれば、5問免除を利用してマンション管理士試験を受験できるのでおすすめです。

日商簿記

日商簿記検定は、経理に関する検定試験です。簿記の知識は不動産取引に限らず、企業で働く際にあった方が良い知識です。簿記は3〜1級とありますが、1級は難易度が高すぎるため、3級か2級がおすすめです。
簿記は、宅建士に限らずあらゆる資格取得と相性が良いといえます。

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